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チベット自治区成立 40 周年

社員のレンズに収められたチベット

秋景色のチベット

チベット

付録-2 地形と地貌

チベットを主体とする青海・チベット高原は、世界最高の高原である。気勢が雄大で、風景が多種多様である。各種の地形と地貌は、チベット高原の自然条件の複雑さと天然資源の豊かさを反映している。チベットの地勢は全体として北西から南東に傾斜し、海抜は平均5000メートル以上から漸次4000メートル前後に下がっている。

チベットの地貌はヒマラヤ高山地帯、チベット南部の河谷地帯、チベット北部の高原地帯、チベット東部の高山峡谷地帯に分けられる。

――ヒマラヤ高山地帯は、チベット南部に位置している。数本のほぼ東西に走る山脈からなり、平均海抜は6000メートル前後である。中国・ネパール国境にあるチョモランマ峰は海抜8848.13メートル、世界の最高峰である。ヒマラヤ山の頂上は年中氷雪に覆われ、その南北両側の気候と地形は大きく違っている。

――チベット南部の河谷地帯は、ガンディセ山脈とヒマラヤ山脈の間、つまりヤルンズァンボ江とその支流の流れるところに位置している。この一帯に幅の異なる河床の平地と湖沼、谷間がたくさんあり、地形は平らで、土質が肥えており、チベットの主な農業区である。

――チベット北部の高原地帯は、昆侖山、タングラ山、ガンディセ山――ニャンチェン・タングラ山の間に位置し、自治区総面積の約2/3を占めている。一連の丸くゆるやかな丘陵からなり、その間に盆地がさくさんあり、チベットの主な牧畜区である。

――チベット東部の高山峡谷地帯は、有名な横断山地で、ほぼナッチュ以東に位置し、走向が東西から南北に変わる高い山と深い谷からなり、その間に怒江、瀾滄江、金沙江の3本の大河が流れている。頂上は年中雪に覆われ、中腹の生い茂った森林と麓の四季常緑の田園は、峡谷地帯の奇特な景色を形づくっている。

 

山脈

2000万年前、アジア・ヨーロッパ・プレートとインド洋プレートが激しくぶつかり合って世界の最も若い高原――青海・チベット高原が形成され、それによってできた山脈は高原の骨組みとなっている。チベット高原の山脈は基本的には東西と南北に走る2組がある。

東西に走る山脈

昆侖山脈 西から東へとチベット高原の北の縁に横たわり、平均海抜は5500ないし6000メートル。北側は新疆のタリム盆地と青海のツァイダム盆地を俯瞰し、南側ではふもとのくぼ地、湖沼、広い谷間が平均海抜5000メートルのチベット北部の高原と連なっている。最高峰のムズェタゲ峰は高さが6973メートルである。

カラコルム山――タングラ山脈

前者の主体部分は新疆ウイグル自治区とカシミールの境界線にあり、東部の山はばらばらで、東経90°付近に東西に走るタングラ山脈があり、この山脈はチベットと青海の境界となっている。

ガンディセ山――ニャンチェンタングラ山脈 チベット北部高原の南の縁に位置し、チベット北部とチベット南部、チベット南東部との境界線であり、チベット内外を流れる水系の天然の分水嶺でもある。ガンリンボチェ峰はガンディセ山脈の主峰で高さは海抜6656メートル。ニャンチェンタングラ峰はニャンチェンタングラ山の主峰で高さは7162メートルである。

ヒマラヤ山脈

チベット高原の南側で延々と連なっているヒマラヤ山脈は、ほぼ東西に走る多くの山脈からなり、その主な部分は中国とインド、ネパールの国境線にあり、全長は2400キロ、幅は200ないし300キロ、平均海抜は6000メートル以上である。高さが7000メートル以上の峰は50余りあり、8000メートル以上の峰は10ある。海抜8848.13メートルの世界最高峰――チョモランマ峰は、ヒマラヤ山脈中部の中国・ネパール国境の上にそびえ立っている。その周りの5000余平方キロ以内に、高さ7000メートル以上の峰が42あり、そのうちの4つは8000メートルを超えている。

南北に走る山脈

チベットの南東部にある横断山脈は、数本の平行する山脈からなり、山脈の間に深い谷間がある。これらの山脈では、バシュラ嶺、タニェンタウォン山、マルカム山脈などが西から東へと並んでおり、それぞれニャンチェンタングラ山脈とタングラ山脈が延び、方向が変わってできたもので、平均海抜は4000ないし5000メートルである。

 

河川

青海・チベット高原にある大きな山々では普遍的に近代的な氷河が発育している。これら氷河の溶けた水は長江(揚子江)、ヤルンズァンボ江、怒江、瀾滄江、インダス川などアジアの著名な河川の源となっている。チベットは中国の河川の最も多い省・自治区の1つであり、統計によると、チベットに流域面積1万平方キロ以上の川が20余本ある。

チベットの川は外国へ流れる川と国内へ流れる川の2種類がある。主な川はヤルンズァンボ江、金沙江、瀾滄江、ブンチュ、ランチェンズァンボ、センゲズァンボなどあり、年間の地表流量は平均4482億立方メートルである。

 外国へ流れる川はその流入する海洋に基づいて太平洋水系とインド洋水系に分かれ、主に東部、南部、西部の周辺地区に分布している。東部には金沙江(長江の上流)、瀾滄江(国境以外の部分はメコン川と呼ばれる)、怒江(国境以外の部分はサルウィン川と呼ばれる)があり、南部にはヤルンズァンボ江(国境以外の部分はプラマプトラ川と呼ばれる)があり、西部にはランチェンズァンボ(象泉河)、センゲズァンボ(獅泉河、インダス川の上流)などがある。

国内へ流れる川は主にチベット北部の高原に分布している。ほとんどは高山の雪水を源とし、内陸の湖沼を中心とする短くて小さな求心水系であり、大部分は季節的に流れる水で、下流は荒漠の中に消え失せるか、あるいは低地に水がたまって湖となっている。

ヤルンズァンボ江

チベット最大の川で、ヒマラヤ山脈北麓のズォンバ県内の海抜5500余メートルのギェマヤンゾン氷河に源を発し、中国国内を流れる部分の長さは2057キロ(中国の各大河川の中で第5位を占めている)、流域面積は24万平方キロ(中国の各大河川の中で第6位を占めている)である。流域の海抜は平均4500メートル前後で、世界の海抜最高の大河であり、チベット族の人びとに「母なる川」と見なされている。

ヤルンズァンボ江流域の人口は約100万人、耕地面積は15万余ヘクタールで、全自治区総人口の37%と耕地総面積の41.67%を占めている。ラサ、シガズェ、ギャンズェ、ズェダム、八一鎮など重要な都市と町は、いずれも流域内に分布している。

西から東に流れるヤルンズァンボ江はマイリン県とメド県が境を接するところに流れると、ヒマラヤ山脈東部区間の最高峰としてのナムジャバワ峰(7782メートル)に行く手をさえぎられ、しかたなく方向を変えて、きわめて奇特な「馬蹄形」の大湾曲を形成している。1994年、中国の科学者は大峡谷に対し科学的考察を行った。国家測量・製図局がその後に公表したデータによると、大峡谷は北のマイリン県のダードゥカ村から南のメド県のバツォカ村までで、全長は504.6キロ、最も深いところは6009メートル、平均の深さは2268メートル。その長さは米コロラド州のグランドキャニオン(長さ440キロ)を上回り、その深さはペルーのコルカ大峡谷(深さ3203メートル)を上回り、世界一の大峡谷である。1998年9月、国務院はこの大峡谷を「ヤルンズァンボ大峡谷」に命名することを正式に認可し、ローマ字母のつづりはYarlung Zangbo Daxiaguである。

 

湖沼

チベットは中国の湖沼の最も多い地区で、湖沼の総面積は約2万3800平方キロに達し、全国湖沼総面積の約30%を占めている。湖沼は大小まぜて1000余りあり、そのうち面積が1000平方キロ以上のものはナムツォ、セリンツォ、ザルナムツォがあり、面積100平方キロ以上の湖沼が47あり、1平方キロ以上の湖沼が612ある。

チベットの湖沼は国内へ流れる湖と国外へ流れる湖の2種類がある。国内へ流れる湖は主に造山運動、地層断裂で形成されたものであり、国外へ流れる湖は土石流と崖崩れで水路を塞がれてできた堰塞湖と氷河の作用で形成された氷山湖の2種類がある。

ナムツォはチベット最大の湖で、その意味は天の湖あるいは神の湖である。チベット仏教の有名な聖地で、チベット自治区の区都ラサ市のダムション県とナッチュ地区のビェングォ県の間に位置している。

ナムツォの湖面の海抜は4718メートル、湖の東西両岸の距離は70余キロ、南北両岸の距離は30余キロ、総面積は1900余平方キロ、中国2番目の大塩水湖で、世界の海抜最高の塩水湖でもあり、湖水の最も深い所は33メートル以上に達している。ナムツォの湖水はニャンチェンタングラ山の氷と雪の溶けた水によって補給され、ほかに大小いくつかの渓流が湖に流れ込み、湖水は澄んで、コバルト色を呈している。

そのほか、チベットにマパンユムツォ、ヤンゾユムツォ、ラムナツォなど著名な神湖、聖湖がたくさんある。

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