北東アジア情勢に関する専門家の解説が、「人民日報海外版」(本日付、第8面特別欄)に掲載された。清華大学国際問題研究所の劉江永教授、国務院発展研究センター・朝鮮半島センターの李敦球主任、中国現代国際関係研究院の程玉潔研究員、中国社会科学院アジア太平洋所政治研究室の李文主任が解説を行った。
――北東アジアは世界で最も経済発展が急速な地域だ。北東アジアの経済は今後どのように発展していくか。アジア、さらにはアジア太平洋地域にどのような影響をもたらすか。
劉江永:日本と中韓の政治関係の「雪解け」にともない、中日・韓日の経済貿易関係の発展に向けた政治環境は改善され、3カ国の経済協力に促進作用をもたらすだろう。中国は日韓両国の最大の貿易相手国となり、中日韓の経済的な相互依存関係は引き続き深まるし、自由貿易区についての交渉の再開が期待され、エネルギー・金融・科学協力も強化されるだろう。中日韓経済の相互補完的な発展は、アジア経済の成長点、世界経済の推進力となるだろう。もちろん、北東アジア経済は原油高騰、国際金融市場の動揺、周辺安全保障などの厳しい試練を今も抱えており、環境、雇用、貧富の格差の拡大などの問題の解決が、今も中日韓の共通の課題となっている。
程玉潔:欧州や中南米はすでに協力体制を構築したが、世界で最も経済成長の急速な北東アジアには、地域的な経済協力体制がいまだ形成されていない。長年来、北東アジア諸国は地域経済協力の積極的な模索と努力を続けており、協力を通じて自国および地域の発展と安定を共同促進し、協力体制を構築することが、すでに北東アジア地域の経済発展の必然的なすう勢となっている。だが、この目標を実現するためには、域内の関係各国がまず協力を強化し、相互補完を強化し、相互格差を縮小して、地域経済協力体制の早期構築に向けた環境を整える必要がある。
李敦球:北東アジアは確かに、世界で最も経済成長の急速な地域の1つだ。中国は国民総生産(GNP)で世界第4位、日本は第2位、韓国は第10位と、いずれも世界の経済大国であり、しかも急速な成長を維持している。だが、この地域には問題も少なくない。地域の安全協力と経済協力には次々と困難が重なり、2国間貿易競争は日増しに激化し、貿易摩擦は日増しに顕在化している。これらの問題は地域経済の持続的な成長に深刻な影響をもたらすだろう。したがって、安全協力と経済協力をいかに実施するかが、域内国の指導者の当面の重要課題となってくる。
「人民網日本語版」2006年12月4日