全国人民代表大会(全人代)常務委員会の呉邦国委員長は8日、北京の人民大会堂で日本の安倍晋三首相と会談した。呉委員長の発言は次の通り。
中国と日本の両国は大国であり、隣国だ。友人は選ぶことができるが、隣人は共存しなければならない。善隣友好協力関係は両国人民の根本的利益と一致する唯一の選択で、アジアと世界の平和、安定、発展にプラスとなる。われわれは長期的角度から、戦略的な目で中日関係を見、「歴史を鑑(かがみ)とし、未来へ向かう」精神で、「中日共同声明」など3つの政治文書の原則を守り、両国関係の発展方向を正しく処理、把握し、歴史問題と台湾問題を適切に処理しなければならない。
国民間の友好は、両国関係の持続的、安定的発展の重要な保障になる。戦後の各時期において、民間の友好関係が中日関係の改善と発展に重要な橋渡しとしての役割を果たした。われわれは今後、民間・文化・青少年など各分野での交流の推進に力を入れ、両国民の友好感情を深めつづけるべきだ。全人代と日本の衆議院には定期交流の枠組みがあり、新たな情勢下で議会の各レベル、各分野での接触と意思疎通に効果的なルートが開かれている。われわれは日本と共にこのルートを生かし、中日の善隣友好協力関係の発展に貢献していきたい。
安倍首相はこれに対し、次のように述べた。
日中両国の国民間の理解と信頼を強化し、互いの友好感情を深めることは、両国関係発展の基礎となる。両国議会の往来が活発に行われていることを日本側はうれしく思う。日本は日中国交正常化35周年などを契機に、両国の各分野での往来を進め、国民間の理解を深めて、両国関係がさらに高いレベルへ発展するよう押し上げていきたい。
「人民網日本語版」2006年10月9日