今月の26日と27日、日本の森岡正宏厚生労働政務官と自民党の久間章生総務会長は、相次いで談話を発表し、極東軍事法廷が第二次世界大戦の日本のA級戦犯に対して下した審判結果を否定し、これらA級戦犯の無罪説を強調したが、世界反ファシズム戦争と中国の抗日戦争の勝利60周年に当たるときに、日本の政界要人がこのような言論を発表したことは、中国人民の大きな憤りを引き起こしている。そこで今日、日本政界の要人がA級戦犯の無罪説を強調したことについての中国社会科学院日本研究所の金熙徳研究員の談話をご紹介する。
金熙徳研究員は、まず、極東軍事法廷の審判結果を否定する言論が日本の政界要人の口から出たことは、深刻な歴史的背景と現実的背景があるとした上で「戦後、日本は自ら発動したこの侵略戦争と第二次世界大戦に対して、国家や民族のという角度から反省したことはなく、その後、侵略の歴史を否認し、それを美化する右翼の動きが現れた。しかし、日本の社会はこの動きを力強く批判することは出来ず、長い間、この勢力は日本の社会に存在してきた。ここ数年、日本の政治勢力はアンバランス状態にあり、平和を主張する勢力は徐々に衰えていく一方で、右翼勢力は次第に政界の主流となってきた。最近、侵略の歴史を否認する言論は増えているのに対して、それを抑制する輿論や政治勢力は弱すぎる状態にある」と述べた。
日本の政界要人がA級戦犯の無罪説を強調していることについて、金熙徳研究員は、その目的は、日本が発動した侵略戦争の性質を否定し、「大国の夢」を実現させるための条件造りにあると指摘したあと、「日本の右翼が極東軍事法廷の審判結果を否定し、A級戦犯の無罪説を強調する目的は、その侵略戦争を正当化させ、戦争の性質を覆し、日本の侵略国というレッテルを捨て、再び政治大国になるという夢を実現させることにある」と語った。
注目すべきことは、日本の政府要人が今回発表した出鱈目な言論は孤立したものではなく、偶然なことでもない。このほど、中国の呉儀副総理の日本訪問中に、小泉氏らの日本の指導者は相次いで靖国神社参拝問題について中日関係にマイナスとなる言論を発表している。これについて金煕徳氏は、小泉氏が靖国神社参拝問題での頑迷な行為は日本の右翼勢力の気炎を助長したと指摘した上で、「小泉純一郎氏は、2001年の首相就任以来、何度も靖国神社を参拝し、A級戦犯を間接的に好評したことになる。小泉氏は、日本の歴史上まれに見る非常の右翼であり、非常に右翼化した首相の一人である。日本が侵略の歴史を否定することを通じて、政治大国の道を歩もうとしているが、これは必ず失敗するに違いない。なぜなら、国際社会は日本のこのようなやり方を許さないからだ。日本は、その実際行動で侵略の歴史を反省するという確約を守らなければならない。こうしてこそ初めて、国際社会、とりわけアジア隣国の人民の信頼を真に得ることができる」と述べた。
「CRI」より2005/05/30