60余年前、ある中国人農民夫婦が流浪生活を送っていた日本人残留孤児を引き取り、実の子のように育て、学校に行かせて成人になるまで面倒を見つづけた。この人には王維章という中国名もあり、日本名は菅野章二と言われる。戦争が終わってすでに60年も経ってはいるが、63歳の菅野氏は半世紀もの間実の父母と会ったことのない妹を探すことを一度もやめなかった。
60年後の今、多くのごく普通の中国人はこの中国人の母乳で育った残留孤児の親探しに援助の手を差し伸べ、肉親との団欒に協力している。
2006年の末に、中国中央テレビ局国際チャンネル(CCTV4)の『華人世界』番組に日本からの手紙が届いた。それは菅野氏からの肉親探しへの協力をお願いする手紙であった。菅野氏は遼寧省鉄嶺の日本人家庭に生まれ、2歳の時に中国人の養子となった。その後の菅野氏は中国と日本で何度も肉親を探したが、何の収穫もなかった。今回はとにかくもう一度試してみようと、CCTV4の『華人世界』番組に手紙を書くことにした。菅野氏の家庭と個人の生涯には不幸と失意が重なったが、それは半世紀近くの変遷と波乱を反映したものであった。
『華人世界』番組のスタッフたちは、菅野氏が提供してくれたわずかな手がかりをもとに、さまざまなルートを通じて探し、長い長い肉親探しの旅に踏み出すことになった。その足跡は中国大陸部から海外へと延び、台湾や日本、アメリカにも及ぶものとなった。この肉親探しの真実のストーリーは、中国の政府機関から一般市民までかつて残留孤児であった菅野氏に対する同情ばかりか、人間としての最も尊ばれる心の広さと人間性の発露を示すものである。
『華人世界』番組はまた菅野氏の肉親探しをスペシャルページをつくって、CCTVのウェブサイトに掲載し、関連の情報を収集している。
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「チャイナネット」2007/04/18