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japanese.china.org.cn | 05. 12. 2014

段月萍さん:最初の「南京大虐殺」史料収集者

タグ: 南京大虐殺 段月萍 生存者 東史郎

女性にとって50歳はすでに、新しい事業に手を付ける年齢ではないかもしれない。だが段月萍さんがこの事業に「転業」したのはまさにこの頃だった。それからすでに31年の月日が過ぎ去った。

南京大虐殺記念館のための史料収集、南京大虐殺の生存者の調査、中国侵略日本軍の元兵士である東史郎の受け入れ――南京大虐殺紀念館を設立した当初のメンバーの一人である段月萍さんは、「初」となる多くの事業を展開してきた。81歳になる今も記念館のために骨を折っている。

日本文部省の教科書改ざんに抗議し、南京大虐殺事件を中国人の記憶にしっかりととどめるため、南京市は1983年末、南京大虐殺の史料編集・記念館建設・記念碑建造のための指導グループを設立した。指導グループの下には、具体的な業務を担当するための事務室が置かれた。50歳の段月萍さんはほかの二人と事務室の「三人組」の一人となった。

国内の学術界には1980年代初めまで、南京大虐殺についての歴史研究がほとんどなかった。このような状況下で史料収集を担当した段月萍さんは、中国第二歴史公文書館や南京市公文書館、南京市図書館を毎日のように訪ね、南京大虐殺に関連する公文書や史料120種余りを集めた。文字数は550万字、図版や写真は200枚余りにのぼった。

記念館の収蔵する史料や物品は現在までに格段に充実したが、段月萍さんが当時収集した史料は今でも展示の核心内容となっている。

「生きた証拠」も重要だ。記念館設立前、段月萍さんは、建国後初となる南京大虐殺生存者の全面調査を5カ月にわたって展開した。調査では登録表が作成され、「自らが被害を受けたもの、自らが経験したもの、自らが目撃したもの」だけを選び出し、それぞれを詳しく調査し、1200人余りの生存者を確定した。唐広普さんや劉永新さん、李秀英さん、夏淑琴さんら重要な歴史の証人が見つかったのもこの時だった。

「生存者の語った証言と史料の記載とは完全に一致しました」。30年が経った今も、段月萍さんは生存者の経験や証言をよく覚えている。「口述と史料とは互いに証明し合っており、南京大虐殺の歴史の真実が確かめられました」。段月萍さんが心を痛めているのは、時が経つにつれて生存者が少なくなっていることだ。当時の1200人余りも今では100人余りを数えるにすぎない。

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