ネット上では、「艦名は日本が再び軍国主義の道を歩もうとしていることを意味しているわけではないのだから、中国人はいちいち反応する必要はない」という意見もある。しかし筆者は、こうした論調は、狼を助けて食われかけた「東郭先生」の如きお人好しなものと考える。周知の通り、海軍は伝統を重視する軍種であり、船名を踏襲するということは過去を受け継ぐことを意味する。海上自衛隊が旧日本海軍の艦名を継承するということは、往年の「栄光」を伝えるということである。日本人の一部が大洋を奔走した当時の威風を懐かしむことは理解できるという中国人がいるならば、「かが」などの軍艦の前身が中国の沿海で引き起こした悲劇をどうとも思わないということになってしまう。「かが」の命名については、日本メディアも、新艦が旧日本海軍の「武勲艦」を継承したのは一種の伝統だとしており、もはやその踏襲の意図は火を見るよりも明らかである。
日本の軍事力に過去の亡霊が現れつつあるのは確実である。陸上自衛隊はこそこそと、海上自衛隊ははばかることなく、「栄光」に満ちた往年の軍隊に対する一部日本人の執着を表現しているのである。米国の放任の下、日本の戦争の歯車はひっそりと回転を始めている。日本はこれからいかなる道を選ぼうとするのか。「かが」などは今後、「不義に生き、恥辱に死ぬ」という不名誉な歴史を繰り返すことになるのだろうか。私たちは今後も注意して見守っていかなければならない。(文・劉昆)