28日付読売新聞は学者、作家、メディア関係者による、村上氏の新作への評価を掲載した。全体的な評価は「期待を裏切らない傑作」「村上氏の代表作の一つになる可能性も」だ。尾崎真理子編集委員は村上氏について「日本が発動した戦争とドイツのことについて言及した……(中略)……物議を醸し続ける問題に言及し、非常に勇気がある」と評価した。
共同通信の岡田充客員論説委員は「村上氏の作品が世界で広く読まれているのは、国境・民族・階級を超越し、大都会に住む人々の孤独など、共通する気持ちを描写することに長けているからだ。村上氏が作中で何度もナチスについて言及し、日本の侵略戦争を取り上げ、謝罪を直接呼びかけたのは、国と認識の異なる人々が魂の交流と意思疎通を図るためには、まず共に経験したこの歴史の事実を認めるべきだと感じているからだろう」と指摘した。
同じく理性的な声を出すネットユーザーもいる。「村上氏の新作を読んでいるが、個人的にはとても気に入っている。ところが南京大虐殺について書いたため、ツイッターで売国奴だ、中国に媚を売っていると攻撃されている。これらの発言には本当に驚いている」
村上作品の歴史観
村上氏はこれまで多くの場で、侵略戦争について日本は謝罪すべきという観点を示してきた。日本の安倍晋三首相が2015年に「戦後70年談話」を発表する前、村上氏は東京新聞のインタビューに応じた際に「歴史問題は非常に重要な問題であり、誠意ある謝罪は非常に重要だ。謝罪は恥ずかしいことではない」と話していた。
「騎士団長殺し」は、村上氏が初めて中国を侵略した日本軍の暴行に言及した作品ではない。1994年の「ねじまき鳥クロニクル」でも、登場人物の口を借りて、日本軍の中国侵略戦争における数々の暴力行為について描写している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年3月6日