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japanese.china.org.cn |28. 04. 2019

「一帯一路」と新しい日中関係

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人民中国

戦争を知らない世代が担う日中関係


    昨年、両国首脳が相互訪問を果たし、日中関係はようやく正常な軌道へと戻りつつある。日中第三国市場協力も、日中協力の新たな道を切り開いた。しかし、日本は依然としてアジアインフラ投資銀行(AIIB)にも「一帯一路」にも加わらず、「自由で開かれたインド太平洋」構想を掲げ、米国共々「一帯一路」構想に対抗しようとする動きを示している。


    日本と中国は引っ越しのできない、お隣同士である。いつまでもけんかばかりしているのは良くない。さらに経済的に見れば、お互いに依存し合っている。そのため、一方が悪くなると相手にも悪い影響が出る。共に手を携えて発展する、という考えになる必要があるし、それ以外に選択肢はない。関係改善が早ければ早いほどお互いにとってプラスと思われるが、もしそうでなくとも焦る必要はなかろう。日本と中国はもはや戦争に訴えて問題を片付けようとする時代ではないので、地道に、粘り強く付き合っていけば良い。


    今年は新中国成立70周年であり、日本は新たな天皇が即位することで元号が変わる。両国にとっての2019年は、特別な意味を持った一年といえよう。今上天皇は、かつての戦争で犠牲になった方々の慰霊の旅を実現し、また震災など自然災害の被害に遭った人々への心のこもった慰問活動をすることで、国民の統合の象徴としての天皇のありようを根付かせた。新しく天皇になる現皇太子は完全な戦後生まれで、日本の国民の大多数が戦後生まれになっている。まさに「戦争を知らない世代」の世の中となる。


    日中関係もこの時代の変化に応じて、共に手を取り合って美しい未来をつくり上げよう、とする未来思考を根付かせる必要がある。もちろん歴史を無視して良いということではない。歴史は客観的、科学的、総合的に認識するものであって、感情、思い込みで語るものではない。とりわけ自身が体験していないことを感情に基づいて語ると、一面的になりやすい。日本と中国では社会体制が異なっているので、自国の価値観に基づくだけでは正しく相手を知ることができない。


    相手の世界を知るためには学ぶことが大切で、学ぶとは書物によるだけでなく、実際の場を自分の目で見ることも学びである。そのため日本から中国を訪れる人が最近あまり多くないのは気になる点である。もっと積極的に、自分の目で見て、実際に交流することを通して中国を知ろうとする努力が必要である。その点はもちろん中国の人々についても言えることだ。(聞き手・構成=呉文欽)

 

人民中国インターネット版 2019年4月26日


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