皆様こんにちは。
中国社会科学院日本研究所の楊伯江と申します。
新型コロナウイルス感染症が発生して以来、無数の中国人がこの感染症との全面的な戦い、狙撃戦に身を投じています。2003年のSARSと比べ、今日はネットワーク技術が発展しており、情報伝達がより速やかになっています。多くの国と国際機関が中国に医療物資の援助を行い、さまざまな手段により中国への支持を示しています。中国に援助の手を差し伸べた世界各国のうち、反応が最も速かったのは日本であります。安倍首相は1月23日に衆議院本会議で、日本はウイルスへの警戒を強化すると同時に、中国の感染対策を全力で支持すべきと表明しました。1月25日未明、イトーヨーカドーは四川航空の東京発成都行きの便を利用し、100万枚のマスクを成都に届けました。茂木外務大臣は、日本は全力を尽くし全面的な支援と援助を提供し、中国と共に難関を乗り切りたいと表明しました。自民党・公明党の幹事長が2月7日、中国大使館を訪問し、全国の総力を挙げ中国と共に感染症と戦いたいと表明しました。自民党の二階幹事長は2月10日にまた、自民党国会議員から1人あたり5000円を中国に寄付すると宣言しました。
日本の地方自治体も中国の友好都市に支援を提供しました。中国のウェブサイトを見ると、長い「支援リスト」を見かれられます。その中には大分市、北海道苫小牧市、秋田県由利本荘市、兵庫県明石市、水戸市、広島市、川崎市、浜松市、滋賀県彦根市、広島県、鹿児島市、薩摩川内市、東京都港区などがあります。街のドラッグストアの多くが「中国加油」「武漢加油」など中国語のメッセージを掲示しました。東京スカイツリーは、中国を応援する赤と青のライトアップを行いました。
雪中に炭を送る日本の行動は、苦境に陥った隣国への善意と人道的な配慮を示し、中国の各界から高く評価されました。それは同時に、中日両国が苦楽や禍福を共にする、切り離すことのできない利益共同体であることをも映してると考えています。中日は地理的に近く、往来が頻繁であります。中国の感染症を前にし、日本だけ無事に対岸の火事を見守ることはできないでしょう。中日は互いに協力パートナーであり、中国経済が感染症により足を引っ張られると、日本の観光、電子、自動車などの各産業がダメージを受けます。大和総研は日本の実質GDPに対する感染症の影響を試算し、感染症が3カ月続けば0.1%低下し、1年続けば0.9%低下するとしました。
自然災害、公衆衛生の危機など不幸な出来事が往々にして、お互いに距離が近く関係が密接であるという中日の認識の掘り下げを促すことは、事実によって裏付けられています。2008年の中国の汶川大地震、2011年の東日本大震災の時もそうでした。最も重要なことは、中日が災難を迎えお互いに助け合い、呉越同舟になることで、両国の「互助体験」を絶えず蓄積し、両国民感情の良好な相互作用を促進し、関係改善の社会・民意の基礎を固められることであります。
「山川異域、風月同天」ーー日本中国語検定試験(HSK)事務所が湖北省に送った支援物資には、こういうメッセージが貼られていました。中国の清代に編集された「全唐詩」にあるこの言葉は、中日関係の現実を示していると思います。一衣帯水で共同の利益が絶えず拡大する中日関係の未来は、平和的共存、協力・ウィンウィンにあります。
最後になりますが、2020年に小康社会の全面的な建設という中国の目標が順調に達成され、日本の東京五輪が円満に成功することを心からお祈りいたします。中日両国の一一家族、友人一人一人のご健勝と幸せを心からお祈りいたします。