仏メディアによると、「UKUSA協定(ファイブアイズ)」はインドと日本を巻き込んで共同声明を発表し、「公共の安全」保護を理由に法執行機関がテレグラやシグナルなど「エンドツーエンド暗号化」された通信にアクセスできる「バックドア」を設けるようにIT企業に要請した。法的手段を拠り所に特定のネットワーク機器や内容に強制アクセスするだけでは満足いかず、サイバー空間の隅々まで監視範囲を広げ、最終的にすべての死角を網羅する狙いがある。
一方、「ファイブアイズ」の組織体質と不名誉な過去から監視範囲拡大の真の狙いに疑いの目が向けられ、さらにサイバー空間のセキュリティ保護で一貫して採用してきた「2つの基準」がさらに明るみになり、国際社会の有識者から非難と抗議の声が上がるのは必至だ。
まず、どんな名目があろうと、アクセスできる「バックドア」を強制的に設けることはデータセキュリティの基本原則に反する。「ファイブアイズ」が発表した声明をみると、暗号化技術に一種の矛盾した心理がある。暗号化技術は個人データやプライバシー、企業秘密、サイバー・セキュリティーなどで重要な役割を果たすと肯定する一方、法執行機関が犯罪行為を取り締まるのを阻害するべきではないとし、暗号化技術は公共の安全を追いつめていると暗にほのめかし、ユーザーが暗号化された安全な通信を引き続き使用できるようにした上で、法執行機関にアクセスの「バックドア」を提供するようIT企業に要求した。
次に、「ファイブアイズ」が発表した声明には、日印両国が名前を連ねていた。米国のインド太平洋戦略の重要な支柱国である日本とインドの加入はさらに「意気投合」する国を募る足がかりになる。他の競争相手に対する不釣り合いな技術的優位性によってサイバー情報とデータの監視範囲を拡大し、有利なグローバルサイバー空間の権力構造を確立することができるからだ。