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japanese.china.org.cn |30. 12. 2020

<動画>専門家がズバリ(55)2020年の中日関係を振り返る

タグ: 中日関係 政治 交流 文化 日米同盟

    新型コロナウイルス感染症は今年、国際情勢の深い変化を早めました。中米の戦略的競争は全体的に激化し続けました。日本国内の政治情勢に重大な変化が生じ、中日関係が新たな局面と試練に直面しました。全体的に見ると、中日関係は2018年以降に正しい軌道に戻っており、穏やかな発展という基本的な流れに今年、変化は生じませんでした。ところがさまざまな要素からの衝撃を受け、中日関係には現在、大きな不確実性と不安定性が生じています。

 

 政治面を見ると、感染症の阻害を受け、中日ハイレベル政治交流に大きな影響が生じています。安倍氏の辞任後、中国側は積極的に二国間関係の穏やかな過渡を促しました。習近平主席は9月下旬、菅義偉首相と初の電話会談を行い、11月には国務委員兼外交部長の王毅氏が訪日しました。中日双方のハイレベル対話が再開されました。日本側も、中国との連携と協力を堅持し、中日関係を安定させると表明しました。ところがそれよりも「国益の主張」を強調し、かつ中国の内政に関わる敏感な問題で消極的な姿勢を強め、頻繁に中国側の我慢の限界に探りを入れました。多くの国際舞台において、中日間の摩擦と競争が激化する流れとなっています。

 

 経済面を見ると、感染症の衝撃を受け、中日の経済的な利益の結びつきが顕在化しました。日本政府は経済的安全を守ることを口実とし、対中投資を制限し在中日本企業の海外移転を奨励し、米国及び西側諸国に追随し中国の経済及び科学技術との「デカップリング」を求めていますが、今のところ実質的な効果を手にしていません。むしろコロナ禍の日本が経済回復を実現しようとするならば、中国経済の影響力・けん引力に依存しなければなりません。日本の対中輸出は今年7−9月に増加を維持し、中国市場は日本経済の外需の最大の出処となりました。日本の民間、特に地方は中国との経済交流を積極的に強化し、中国側の発展のボーナスを利用し自身の経済を振興しようと期待しています。中国側が推進する第14次五カ年計画、経済の「ダブル循環」の構築についても、日本側は注視を続けています。

 

 安全面を見ると、海洋及び島をめぐる中日の摩擦がヒートアップし、緊張がやや激化しています。日本側は中国側の釣魚島における主権維持行動を批判し、「中国が一方的にパワーで現状を変えようとしている」印象を演出し、強硬な姿勢を示そうと取り組んでいます。同時に日本側は日米同盟を積極的に強化し、「インド太平洋戦略」の軍事防衛及び地政学的競争の機能を強化することで中国側をけん制し、中日の安全をめぐる相互信頼に悪影響を及ぼしています。しかし日本側は中国側との衝突回避に取り組み、「アジア版NATO」の構築に反対することを明確にしました。中日防衛相は今月14日にテレビ会議を開き、海空連絡メカニズムの構築ペースを上げ、建設的な二国間安全関係を積極的に構築することで合意しました。

 

 人文交流面を見ると、感染症という共通の脅威に直面した中日は相互支援し、感染対策で協力し、比較的積極的な民意の相互作用を形成したこともありました。しかし感染症により両国の人員往来が途絶え、交流プロジェクトが全面的に延期されました。日本側の国内では中国に関連する世論の環境が悪化に向かい、中日間の利益の食い違いと観念の差が意図的に誇張・喧伝され、両国の民意の感情が再びネガティブになりました。「認識の格差」がむしろ深まる恐れがあります。

 

 全体的に見ると、新たな情勢を迎えた中日関係は複雑性が増しています。中米の戦略的な競争を背景とし、日本は中米間で有利な立ち位置を積極的に占め、その他の「中等勢力」と連携し戦略的空間を拡張しています。米国の戦略的な抑制、日本の中国に対する複雑な心理に駆られ、日本の対中政策における両面性が長期的に存在することになります。注意すべきは、隣国である中日は地政学的つながり及び経済・文化のつながりを絶つことが難いです。双方は歴史の流れ、国際情勢、相手国の戦略的発展方向に対する理性的・客観的な認識を深めることで、実務的な協力の空間を拡大し、互恵・ウィンウィンを勝ち取る必要があります。中日などの国が共同でRCEPの署名を推進し、共に地域自由貿易の協力・発展から利益を得ていることがその明証です。王毅氏は今回の訪日で、二国間関係について「真の相互信頼を構築する、地域協力を推進する、共にグローバルガバナンス体制の改革に取り組む」という3つの案を掲げ、日本側から積極的な反応がありました。これは未来の中日関係の発展の基本的な方針、考え方になるべきです。(筆者・盧昊 中国社会科学院日本研究所副研究員、総合戦略研究室副主任)

 

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