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japanese.china.org.cn |19. 01. 2021

国際貿易に新たな理念を 中日はコロナ克服のけん引役に

タグ: 国際貿易

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、国際経済貿易の状況が深刻化する中の昨年11月15日、アジアと豪州など15カ国が8年にわたる困難な交渉を経て、最終的に地域的な包括的経済連携(RCEP)の合意・調印にこぎ着けた。続く同月20日、ビデオ形式で行われたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議で、中国は「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的協定(CPTPP)への参加を前向きに検討する」との姿勢を表明した。

筆者は長年、中日経済を研究してきた。ここ数年、日本のメディアは、米国離脱前の環太平洋パートナーシップ(TPP)協定あるいは米国離脱後のCPTPP(TPP11)により中国をけん制すると強調してきた。RCEPでも日本メディアは、インドが交渉に加わり、中国をけん制する重要な勢力となることを一層期待していた。

中日両国の自由貿易体制における出発点は異なるが、共に製造・貿易大国として多国間貿易体制を守る上で、共通の理念とそれぞれの巨大な利益を有している。両国は自由貿易体制の構築において、イデオロギーの対峙を止め、共通の意識を持ち、力を合わせてアジア太平洋運命共同体を建設しなければならない。

 

RCEP方式で中日FTAを

中日韓3国の中で、中韓はすでに2015年6月に自由貿易協定(FTA)に調印している。だが中日、日韓は、FTA問題を長年協議してきているが、まだ決着は付いていない。RCEPは、日本をその最大の貿易相手国である中国、同第3位の韓国との初のFTA相互協定調印に導いた。ここから見て、RCEPは中日韓について言えば、FTA体制確立と擁護において最終的に足並みをそろえたことを意味し、その意義は大きい。

中国について言えば、中国は05年に東南アジア諸国連合(ASEAN)との間でFTAに調印し、RCEPのオーストラリア、ニュージーランドとも早い段階で相互協定に調印しており、日本とだけが最終的な合意を見ていない。日本のメディアは、TPPの成立意義について解説する際、多くが中国けん制を強調した。またASEANと中日韓の他に、インドやオーストラリア、ニュージーランド、特にインドの加盟によって、RCEPで中国をけん制する役割を発揮すると日本は強調していた。

米国は過去、トランプ大統領が政権樹立直後にTPP交渉からの離脱を宣言し、インドも19年11月にRCEP交渉から離脱を宣言した。日本のメディアが解説によく使う「中国けん制」は思うように実現していない。

中国の一部の学者は次のように認識している。インドが交渉から離脱したので、日本は昨年11月のRCEP協定調印を拒絶する可能性があったが、トランプ政権が退陣し、次のバイデン政権が国際経済貿易提携で前政権と異なる姿勢を示しているのに伴い、もしかしたら日本は新たな判断をせざるを得ないかもしれない。

一方、新型コロナによる影響で欧米経済は大幅に下落し、日本の対欧米輸出は大きなダメージを受けたが、対中貿易は維持できた。インド以外のアジア、特に東アジアは、欧米に比べて感染状況を効果的にコントロールしているため、世界経済をけん引する機関車としての役割はまだ衰えていない。日本も欧米ほど経済の大きな下落を避けるために、アジア主要国との貿易を維持しなければならない。

宙ぶらりんの中日FTAもまさにこうした歴史的な条件の下で、まずRCEPに調印する方法で実現できたといえるだろう。

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