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japanese.china.org.cn |19. 01. 2021

国際貿易に新たな理念を 中日はコロナ克服のけん引役に

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権益保護の立場は様変わり

数年前、日本のメディアでは中国の知的財産権の関連記事をしばしば見掛けた。だが、ここ1、2年はめっきり減り、これに比べ、中国の特許申請件数や科学研究分野の論文発表数が日本を大きく上回っていることを感嘆する記事が多くなっている。中国で製品の研究開発や生産ノウハウなどの面で特許が絶えず増え、中国企業も日本企業と同じように知的財産権の重視を強調し、知的財産権保護のアピールを通じて、自らの権益を守ろうとしている。

環境保護の面では日本が中国の先を行っているので、中国が学ぶべき経験がたくさんある。昨年9月、中国は60年までにカーボンニュートラル(二酸化炭素の排出量と吸収量を差し引きゼロにすること)を目指すと宣言した。これは、今後40年にわたって中国が二酸化炭素の年間排出量を160億㌧から継続的に大幅削減していくことを意味している。中日がカーボンニュートラルを実現する時期は多少ずれているが、その目標は一致しているので、両国は関連事業を完全に連携してやって行ける。

日本のメディアはRCEPを報じる際、ソースコード保護などの国際間のデータストリーム(データの転送方式)問題を強調した。中国のデータ経済の規模は今後数年の間に日本の数倍に拡大する。モバイル決済の普及や情報技術(IT)プラットフォームの構築、インダストリアルインターネットの使用など、いくつかの分野で中国は日本をすでに上回っている。あるいは大幅に上回っている。今後、中国が打ち出すデータストリーム分野での基準やルールはますます多くなるだろう。日本の現在の関連構想は中国企業に受け入れられ、うまく運用され、発展し始めている。

中国側が本格的に知的財産権や環境、データ類の保護に取り組み、関連のルール実施、監督面での解決案を提起する際には、日本側の理解と協力が特に必要とされるだろう。日本側の今日の努力は、こうした協力に向けた最も好ましい下地になるだろう。

 

上海で昨年11月に開かれた中国国際輸入博覧会で、出展製品を自ら説明する三菱電機・中国総代表の富沢克行氏(手前右端)(写真・顧思騏/人民中国)

 

けん引力失った米国、欧州

世界的なルール、組織の多くは欧州あるいは米国の提案によって確立されたものだ。しかし今日、米国は「アメリカファースト」を過度に強調し、すでに新たな環境変化に対応する国際的な理念を失い、欧州は依然として政治的な不安定や経済的な混乱の状態が続いている。アジア、とりわけ東アジアは、世界経済においてリードする役割を発揮し、今後も長期的に維持されるだろう。

東アジアの2大経済大国として、中日両国は世界貿易体制に対して、新たな理念を提起する義務がある。中日両国は、経済利益上の衝突やイデオロギーの食い違いをFTAなどの国際的な経済協力体制の構築を阻害する要因としてはならず、共に発展を追求することで、初めて一時的な対立を解決できる。

「アジア太平洋運命共同体」は、中日がアジアにとどまらず、国際協力を追求する第一歩となるべきだ。その第一歩はすでにRCEPの形で踏み出され、さらにCPTPPへ向かって進み、米州を含む新たなFTA体制の構築でなければならない。これらがもし、中国の「一帯一路」構想と結び付けば、新たな国際経済貿易体制が確立できる。


中日は今年、国際貿易の新たな理念を提起し、一刻も早く世界を新型コロナの暗い影から抜け出させ、新たな発展のチャンスを提供すべきだ。 


「人民中国日本語版」2021年1月19日


 


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