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japanese.china.org.cn |05. 08. 2021

楊伯江・中国社会科学院日本研究所所長に聞く――格別の価値ある東京五輪

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東京五輪の聖火リレーで、長崎県では復元された「遣唐使船」が登場、中日両国の唐代の盛んな文化交流の様子が再現された

 

両国関係の安定発展に注力

東京五輪と北京冬季五輪の準備期間中、中日両国の指導者は互いに相手国の五輪開催を支持することで共通認識に達した。特に東京五輪が新型コロナの感染拡大の影響で延期を余儀なくされた状況下、中国側は常に日本側が東京五輪を開催することを支持してきた。

今回、中国は国外で開かれる五輪としては過去最大の総勢777人の選手団と約900人の報道陣を派遣した。さらに、東京五輪の感染症対策で必要なクラウドコンピューティング技術および各競技の国際公共放送の制作中継においても、中国側は大いに支援している。これらは、中国の実際の支持を物語っている。

一方、日本側では、東京オリパラ競技大会組織委員会の橋本聖子会長が開催前に孔鉉佑駐日大使と会見した際、日本側は中国との五輪での協力強化を重視しており、東京大会が北京冬季五輪に順調にバトンをつなぐことを期待していると述べた。東京五輪の延期で開催の間隔が1年短縮されたが、北京冬季五輪にとって日本側の姿勢は間違いなくプラスと考えて良いだろう。

また報道によると、孔大使と橋本会長は中日両国が相次いで五輪を開催することをきっかけに、多様なスポーツ交流協力を繰り広げ、両国関係の改善と発展に新たな弾みをつけることについても共通認識に達した。これは、中日関係の改善と安定した発展を促す上で積極的な役割を果たすだろう。

特に注目すべきは、五輪が両国の人々の顔を合わせて交流する機会を直接増やせることだ。これは今の時期において非常に重要で得難いことだ。新型コロナによる感染症拡大で、この1年余り中日の人的交流はほぼ停止状態になっている。いくらハイテク手段で交流できても、その効果は顔を合わせたコミュニケーションにははるかに及ばない。

中日関係は昨年から、順調な状態から停滞へと起伏が現れた。島を巡る紛争が再び浮き彫りになり、東中国海の情勢は緊張をはらんだ。日本はたびたび台湾など中国の核心的利益に関わる問題を取り上げている。このような状況では、両国の人々の顔を合わせた交流はいっそう重要になっている。

感染症の影響で、五輪という場での人々の接触は限られているが、結局は「ないよりまし」だ。たとえこのような接触が両国間の構造的な相違の解消を意味していなくとも、少なくとも双方の意思疎通の障壁を突破し、正確な情報を伝え、誤解判断の誤りを減らし、相互信頼を増進するのに役立つだろう。

いずれにしろ、東京五輪と北京冬季五輪を巡る中日の相互支持と協力には、両国関係と世論環境の改善や双方の対話コミュニケーションの回復に条件作りという重要な役割を果たすことが期待されている。


人民中国インターネット版 202183日 


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