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japanese.china.org.cn |29. 11. 2021

第1回「東中国海問題と中日関係」国際学術シンポジウムが北京で開催

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(『中国社会科学報』記者・朱高磊氏が撮影)


 11月29日、中国社会科学院東中国海問題研究センターと中国社会科学院日本研究所が共催する中国社会科学院東中国海研究フォーラム(2021)「東中国海問題と中日関係」国際学術シンポジウムが中国歴史研究院で開催された。会議はオンライン・オフラインを組み合わせた形式で開かれ、中日両国の多くの国際問題研究機関と大学から専門家と学者70人以上が出席し、討論に参加した。



 シンポジウム開幕式は中国社会科学院日本研究所所長・東中国海問題研究センター主任の楊伯江氏が進行し、中国社会科学院副院長・中国歴史研究院院長の高翔氏、中日友好協会常務副会長・前駐日大使の程永華氏が挨拶した。


 高翔氏は挨拶の中で以下のように述べた。人類史の発展を見ると、海は国同士、文明間の交流の障害ではなく、紐になっている。国際戦略の現在の情勢から言って、海洋問題はグローバルガバナンスの焦点になり、各国の関心点と共通利益がある場所である。中日両国はともに東アジア地域に位置し、一衣帯水の関係で、海を隔てて向かい合い、認識と海洋利用の長期にわたり、それぞれの特徴がありながらも参考にし合う海洋経済モデルと文化スタイルを形成している。東中国海は中日文明の海を越えた伝播、頻繁な往来の歴史を見届け、中日両国の地縁政治経済の密接な関係を結んできた。


 高翔氏は、東中国海の平和発展に関わる大局を慎重に扱い、積極的に維持する必要があると強調し、以下のように示した。中日関係の安定な発展は両国の根本的な利益だけでなくアジア各国、特に東中国海周辺国の利益と合致する。複雑な国際情勢に直面し、中日は利益に関わる立場として、冷戦思考と対抗意識を捨て、平等な話し合いと相互利益・ウィンウィンを堅持し、東中国海地域の平和発展の維持を重視し、東中国海の協力を推し進め、両国関係を発展させるべきである。そのために、対話と話し合いを堅持し、東中国海情勢および地域問題に関して有効な戦略的コミュニケーションを保持し、矛盾を調整し、東中国海の安全対立と衝突リスクを徐々になくし、協力分野を開拓し、中日と周辺各国の「共商、共建、共享」(共に話し合い、共に建設し、共に分かち合う)という東中国海の新構造を積極的に形成すべきである。


 程永華氏は挨拶の中で以下のように述べた。科学技術革新と経済グローバル化に伴い、世界各国の海への依存は高まり、海洋の開発利用は未曾有のレベルに達している。中日両国は海を隔てた隣国であり、海洋の安全、環境保護および平和利用は双方が共に関心を寄せる問題である。中国社会科学院東中国海問題研究センターの設立は中日の海洋協力・交流において重要な意味を持つ。重要な隣国と協力パートナーとして、中日関係の改善と発展は両国人民の利益と合致し、地域の安定と繁栄にもつながり、貴重なもので大切にする価値がある。


 程永華氏は以下のように強調した。中日はより積極的にコミュニケーションを図り、海洋気象、生態環境保護、海上救援、防災・減災などの分野で協力を展開すべきである。日本の社会各界が東中国海を正確に扱い、両国政府の東中国海問題の対話に有利な雰囲気を形成することを望む。中日双方は共に努力し、東中国海を平和の海、協力の海、友好の海にすべきである。これは中日両国の人民の根本的、長期的利益と合致する。



 開幕式の後、中日両国の専門家は「東中国海と中日関係」をテーマに、「アジア太平洋海上情勢と海洋問題」「国際情勢の変化の中での中日関係」「中日関係と海洋対話」の3つの議題を十分に話し合った。


 中国社会科学院東中国海問題研究センターは2021年3月に設立され、中国社会科学院が指導し、中国社会科学院日本研究所が管理する。東中国海を重点としたアジア太平洋の海上情勢、地域の大国関係などの問題について、ハイレベルな学術研究および交流活動を実施し、東中国海の政治、外交、安全、戦略基礎の発展の研究、および国家関係部門の対策画策に積極的に貢献することを目的としている。今回の学術シンポジウムは、「東中国海研究フォーラム」が実施した初の大型学術活動でもある。

 

 「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年11月29日