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japanese.china.org.cn |31. 03. 2023

北京の春・建国門の町並みと人々=小林正弘氏

タグ: 北京 春 建国門 公園 卓球
中国網日本語版  |  2023-03-31

文・写真=小林正弘

清華大学法学博士 

Genuineways Law Firm パートナー




 北京にも春が到来した。建国門の職場へ向かう通勤途中には、桃、連翹、木蓮など花々が豪快に咲き誇り、足を止めて生命の躍動を写真に収めようとする人々をよく目にする。歩道に沿って作られた健康公園の入り口付近では、毎日、音楽に合わせて老人たちが剣舞を楽しみ、卓球や鉄棒に汗を流している。卓球の攻防の激しさを眺めつつ歩いていると卓球玉がこちらへ飛んできて、公園側へ投げ返してあげることもある。こういった何気ない交流のひと時に「自分は北京で生活しているのだ」と実感が深まる。





 北京の中心部を走る環状線東二環路に面する建国門・朝陽門エリアはビジネスの中心地であると同時に各国の大使館や政府機関が集中する官庁街の一面もある。そんなビジネスマン達が昼食後の気分転換に足を向けるのが明、清朝時代の古代建築と中国式庭園が美しい日壇公園だ。石舟から見渡せる湖面には国貿CBDエリアの超高層ビル群が公園の木々と共に映り込み、ビジネスと自然・文化・歴史の調和を感じさせる。

 湖に沿って歩いて行くと、ここでも至る所で音楽に合わせて中国の伝統舞踊に励む人々や子連れの市民が春の訪れを楽しんでいる。その一角にひっそりと、しかし気高く咲く一本の桜の木を見つけた。行き交う人々はその美しさに自然と足を止め、碑文に熱心に目を落としている。その碑文には「この桜は1972年に周恩来総理の提案により、日本人民が中国人民に贈った桜を植樹したものである」との説明があった。日中国交正常化の年に、市民に親しまれる公園に日本の桜を植樹した周総理、その思いを体現するかのように、桜は今年も厳冬を乗り越えて精一杯に咲いていた。そして、今年は日中平和友好条約締結45周年にあたる。偉大な先人たちの平和友好への熱い思いを胸に刻み、日壇公園を後にした。




「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月31日