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japanese.china.org.cn |15. 11. 2023 |
『日本経済青書 (2023)』:中日経済貿易協力には多くの分野で広い発展の余地
青書に関する記者会見の様子(中国網記者・張世琦撮影)
中国社会科学院日本研究所と社会科学文献出版社は11月14日、『日本経済青書:日本経済と中日経済貿易関係研究報告書(2023)——日本の「ダブルカーボン」政策と実践』を共同出版した。青書は以下のように示した。
日本経済の動向を展望すると、短期的には経済・社会生活の正常化に伴い、日本経済は緩やかな回復を続ける可能性が高いが、国際政治と経済情勢は日本経済の回復に大きな不確実性をもたらす。中長期的には、外部の経済環境が改善に向かい、それを受け日本国内でも調整を行なっているが、日本の経済と社会の深い構造的な問題を解決することは困難であり、長期的、慢性的な衰退局面を好転させることは困難である。
中日の経済貿易協力には多くの分野で広い発展の余地がある
外需主導型経済である日本経済は、輸出拡大が景気回復の突破口である。中国は日本の重要な貿易と投資パートナーである。2022年の中国の日本への輸出額と輸入額が総額に占める割合はそれぞれ19.4%と21.0%に達した。中日の経済貿易協力の強化は、日本の経済回復の促進において特別な意味を持ち、中国経済の質の高い発展にとっても重要な意味を持っている。
主な協力分野を見ると、中日両国は産業チェーンの整備、科学技術の革新、省エネ・環境保護、医療と健康管理、デジタル経済及び第三者市場で協力を重点的に強化すべきである。双方はRCEPなどの地域協力のプラットフォームを十分に利用し、中日韓FTAの交渉プロセスを推進し、中日経済協力の質とレベルを向上させ、中日両国の経済発展を促進し、世界経済の回復をリードすることに貢献することができる。
中国は「ダブルカーボン」問題において日本を参考と協力強化の相手にすべき
現在、中国と日本は異なる経済発展段階にある。日本はすでにポスト工業社会に入っている上に、深刻な高齢化、政府債務負担などの解決しにくい構造的問題も存在しているため、高度成長が再現する可能性は高くなく、二酸化炭素排出量は増加せず、客観的に「ダブルカーボン」の目標を実現しやすい。
一方、中国は発展途中国であるため、発展する余地があり、エネルギー需要は大きく、「ダブルカーボン」目標の達成は日本より困難である。中国はピークアウト目標の達成に努めているが、時間が短く、任務が重く、内外の圧力が大きい。現在直面している主な課題は、産業構造の偏り、エネルギー構造における石炭割合の高さ、エネルギー利用効率の低さ、技術革新能力の低さ、市場メカニズムの未完備などである。日本は以上の問題を解決する過程で豊富な経験を蓄積しており、中国は参考にすべきである。
そして、中日両国は生態保護、グリーン低炭素発展、経済・社会の全面的なグリーンモデル転換の推進、具体的には海洋風力発電、水素エネルギー、アンモニア燃料などの再生可能エネルギーの発展の面において、いずれもほぼ同時展開の局面にあるが、日本は上述の技術開発と応用の面ですでに世界の先頭に立っているため、その経験を学習し、参考にする価値がより大きい。
水素エネルギーなどの分野を突破口とし、中日の第三者市場協力を積極的に推進すべき
「一帯一路」イニシアチブが提唱されて以降、日本を含む国際社会からプラスの反応を得てきた。中日が「一帯一路」協力の枠組みの下で第三者市場協力を強化することはすでに両国企業界の共通認識となっている。特に、中日韓FTAなどの多国間地域経済協力の進展が遅れるなか、中日両国の第三者市場協力の深化は日本の経済と技術の優位性を効果的に発揮し、中日の「競争を協調に変える」という新たな協力モデルを切り拓き、国際的な多国間自由貿易システムを守る重要な実践となる。
中日は水素産業において相互補完性が高い。中国は政策支援の力と生産能力が高く、資金力が十分にあるが、技術面は不足している。日本は海外での経験が豊富で、技術は世界的に進んでいるが、市場規模が小さく、規模のある経済を実現することが困難である。政策面において、双方は2018年に「第三者市場協力の展開に関する覚書」を締結し、新エネルギーやインフラなどの面で協力を強化することを打ち出した。中日は共に世界の水素産業発展の先導国であり、「一帯一路」の枠組みを積極的に利用し第三者市場の協力を展開し、それぞれの優位性を発揮し、新興市場の潜在力を引き出し、「1+1+1 > 3」の効果を実現すべきである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年11月15日