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japanese.china.org.cn |22. 02. 2024

在中日本人の海南島春節体験記

タグ: 海南 春節 交通 文化 観光 
中国網日本語版  |  2024-02-22

文・写真=小林正弘

清華大学法学博士

Genuineways Law Firm パートナー

 2024年の春節(旧正月)をどこでどう過ごすか?これは多くの中国人が抱いた共通の悩みであったかもしれない。コロナ対策が新しい段階へと移行し移動が自由となった去年の春節は、真っ先に故郷に里帰りして家族や友人との再会を楽しみたいと考える人や、なおコロナ感染のリスクを考慮し、移動を控える人が多かったように思う。これに対し、今年は中国国内の観光業が息を吹き返し、ハルピン、敦煌、成都などネットで脚光を浴びる観光都市・スポットが多く出現しただけなく、シンガポールやタイなど中国に対するビザ免除によって海外旅行の選択肢も広がった。

 私も航空チケットの高騰に頭を抱えながらも4年ぶりに中国のハワイと呼ばれる海南島で家族と春節を過ごすことに決め、往復チケット(6000元、約12万円)を購入した。少しでも航空チケット代を抑えるために主要都市の三亜鳳凰国際空港ではなく、海口美蘭国際空港を選んだのだが、空港と高速鉄道が接続しており、交通の利便性のよさに驚かされた。海南島沿線を一周できる高速鉄道は事前予約時点ですでに座席チケットは完売となっており、通路まで人で埋め尽くされた車内の様子から、観光業の復活を肌で実感することができた。

 そして、三亜は海南島随一のリゾート地であるが、観光客も多く、海鮮は中国で一番高いと言われる程に物価も高いため、高速鉄道の駅がある楽東という農村都市で打ち上げ花火や爆竹を見て春節の雰囲気を味わった。自転車で町を回ると田舎にも関わらず、中国全土から来た車が路上に所狭しと駐車されており、市場や飲食店も活気に溢れていた。電子ロックやジム等を備えた最新式のマンション建設地もあり、完成した棟から分譲が開始され、ショウルームには多くの家族連れが訪れていた。また、陵水という沿海都市には村を観光開発した豪華リゾートホテルがあり、比較的リーズナブルな価格で宿泊できるのも魅力的だ。

楽東で花火を打ち上げ、爆竹を鳴らす観光客

陵水の海景色 

 その後、レンタカーを借りて海南島の内陸部を貫く高速道路と山道を使い五指山熱帯雨林自然公園とアジアフォーラムが開催された海浜リゾート地にあるボアオ国際会議場を訪れた。高速道路は全線無料で、三亜方面ではないためほぼ渋滞もなく、道路沿いには鮮やかな花が咲き誇り、遠方には緑豊かな山々のパノラマを望める絶好のドライブコースであった。

五指山熱帯雨林自然公園

ボアオ国際会議場

 北京に戻ってから知ったのだが、海南島から帰るための航空チケットは2万元(約40万円)まで高騰していたようである(※編集部注:海南省旅遊・文化・ラジオテレビ・体育庁によると、市場の需給関係の影響で、旅客ピーク期の航空券は比較的取りにくく、旧暦1月7日までに国内主要目的地の航空券はほぼ完売した。わずかに残っているのは、主にハイクラスの座席の航空券となっている。航空会社によると、一部航空会社の航空券は1万元前後で、主にビジネスクラスである)。報道によると、春節休暇期間中の海南省への旅行者数は前年比48.8%増の延べ951.45万人、旅行総収入は前年比62.2%増の151.27億元(約3156億円)でいずれも過去最高を更新した。約4年ぶりに訪れた海南島は活気に溢れ、今後も益々、交通網が整備され、島内の小都市も発展を遂げて行くことを予感させるとともに、持続的な発展のためにより一層の自然環境保護とオーバーツーリズム対策が求められると感じた。

 「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年2月22日