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japanese.china.org.cn |03. 06. 2024 |
黒柳徹子さんが北京外大で特別講座 中国の愛読者と交流
俳優でエッセイストの黒柳徹子さんが5月31日、北京外国語大学で日本語を学ぶ学生と中国の読者ら合わせて600人以上を前に「青春と読書」をテーマに特別講演会を行った。
自伝的物語『窓際のトットちゃん』は、世界の売上数2600万冊でギネス記録を樹立した。そのうち、中国語簡体字の発行部数は昨年の時点で1700万冊を突破した。昨年10月、黒柳徹子さんは42年ぶりに『続窓際のトットちゃん』を日本で出版した。今年5月、中国語版の続編が出版された。
同日の講演会で、黒柳さんは「大家好(みなさまこんにちは)。我是黒柳徹子(黒柳徹子です)」と中国語であいさつし、会場に熱い拍手と歓声が湧きあがった。
その後、大学生たちはそれぞれ黒柳さんに日本語で質問した。「トットちゃんは成長過程で様々な愛に囲まれて、うらやましい。どうしたら愛されキャラになれるのか」という質問に対し、黒柳さんは「自分は愛されキャラになりたいと思ったことはないが、やっぱり自分がやりたいと思うことを一生懸命やろうと思ったことがある。人のために何かをしてあげようって思う人になることも、とても大事なことだと思う。そうするとだんだん優しい顔になってくる。また、あの人といると楽しいわねって人から思われるように、そういう人になれれば良いと思う」と優しく答えた。
最後に、黒柳さんは「人と自分を比べないほうがいい。自分がどうしたら個性的な人間になれるかを研究してほしい。皆さん、どうぞ元気でいらしてください。また北京で、また日本で、お会いしたいと思います」と微笑みながら話した。
中国科学院大学の人文学院科学技術史部の黄栄光教授はチャイナネットの取材に対し、「初めて『窓際のトットちゃん』を読んだのは20代の時だった。その時の自分はかなり個性の強い人で、本を読んだ後、トットちゃんみたいな人はいいと思い、非常にありがたく、ある意味で自信をもらった。自分はわりと自由な雰囲気の中で成長し、母親になってから、子供がトットちゃんのような子でしたら自由に育ってほしいと思い、娘をなるべくこの競争の強い環境の中で余裕を持って育てたいとずっと実行してきた」と話した。
文学交流が中日両国の人たちの相互理解を促進することについて、黄先生は以下のように話した。作品はその国の人たちの生活を反映する。中国の読者は外国の作品を読み、外国の読者は中国の作品を読み、文学作品は互いの国の人たちが理解し合うかけ橋の一つだと思う。特に、向こうはどんな人なのか、互いの目を直接見られない時、向こうの存在感を確認できない場合は文学作品はやはり一番いい、誠実な媒介だと思う。
もうすぐ東京に留学する北京外国語大学の瀋戈翔さんは、「『窓際のトットちゃん』を初めて読んだのは小学生のときだった。当時、自分の生活とすごく違うところがあり、とても面白いと感じた。黒柳徹子さんのように子供の頃のことを書いておくといいと思い、その時にたくさんの日記を書いた。今、書いたり読んだりすることが習慣になってるのは、その時のおかげだと思う」と話した。また、彼は「私は日本の演歌にとても興味があり、黒柳さんの作品を拝読したとき、曲のタイトルや有名人の名前がよく目に入った。以前、彼らのことをよく知らなかったが、たくさんの知識を習得し、その後に再び作品を読むと、その人たちの間に何かのつながりがあったこと、それらの曲がそのような社会環境の中で作られたことがわかってきた。曲も歌も実はそういう時代において特別な意味があるのだと理解できた。これは断片的な読み物だけでは得られない知識で、文学作品の魅力だと思う」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年6月3日