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japanese.china.org.cn |16. 07. 2024

改革開放の全面的深化で挙げた3つの成果

タグ: 改革開放 三中全会 自由貿易
人民中国  |  2024-07-16

川村範行・談 

7月15日から18日にかけて行われる中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議(以下・三中全会)が北京で開催されるのを受け、元東京新聞論説委員の川村範行・日中関係学会副会長(名古屋外国語大学名誉教授)が、『人民中国』東京支局のインタビューに応じた。中国が10年をかけて行った改革開放の全面的深化の大きな成果については、地域協力と国際協力という観点で評価した。

行動で守る自由貿易 

新時代を迎えた中国は、10年に渡って改革開放の全面的深化という政策を実行してきた。その結果、地域協力や国際協力で非常に具体的な成果を上げていると私は評価している。 

第1に、21世紀のシルクロード構想である「一帯一路」における沿線諸国との共同建設が、10年をかけて着実に広がってきたことが挙げられる。現在すでにアジアからヨーロッパ、そして中近東、アフリカ、南アメリカにまでその範囲が拡大しており、150余りの国と地域、また30余りの国際機関が共同建設協力協定を結んでいる。私はこれを「21世紀の世界における最大規模かつ最も広範囲の、他には見られない経済協力プラットフォーム」と捉えている。今や全世界的な一大プロジェクトにまで成長したと言えるだろう。一帯一路は沿線諸国のインフラ整備や物流網の拡大をもたらし、各国の発展はもちろん、中国の発展にも大きく寄与している。 

第2は、中国が21世紀に入ってからWTO(世界貿易機関)に加盟し、中国語で「国際接軌」と呼ぶ、いわゆる国際経済との連携を図り、そして中国自身が高速経済発展を成し遂げて経済大国になったことだろう。 

この10年を見れば、中国が多国間自由貿易に一貫して賛成し、支持していることがわかる。具体的には、上海や安徽省、海南省などに自由貿易区をつくり、実践したことなどが挙げられよう。さらに毎年開かれる上海の国際輸入博覧会なども開催し、世界と一丸となり、自由貿易の進展を呼びかけてきた。 

第3はRCEP(東アジア地域的包括的経済連携)に積極加入したことだ。これは日中韓3カ国が同時に加盟した、初めてのFTA(自由貿易協定)の仕組みだが、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国などと一緒に東アジア全体の貿易の発展に中国自身が貢献しているということは評価できよう。 

一方この10年における米国は、中国のこのような開放政策に対してむしろ背を向け逆行する動きを見せてきた。以前はTPP(環太平洋連携協定)などの環太平洋を取り巻く経済自由貿易体制づくりに取り組んでいたが、トランプ大統領になってから離脱した。さらに「アメリカ ファースト」の考え方のもとに、中国に対して非常に高い関税をかける関税競争が始まった。バイデン大統領になってからは、中国に対して特に半導体を初めとする経済貿易の中国切り離し、いわゆるデカップリングという政策を露骨に進めている。 

さらに米国は今年に入ってから中国の生産能力を問題視するようになった。明らかな中国経済封じ込めの一環だ。自由主義経済における市場経済の基本は需要と供給だから、生産過剰や生産不足は当然起きる現象だ。人気商品や生活必需品は当然多く生産する。それを捉えて「生産過剰」という批判をするのは、自らが行う市場経済の原理を否定することになる。非常に的外れな批判だ。 

中国はそうした米国の一連の動きとは対照的に、開放的な自由経済貿易体制を支持し、それを自国の発展と世界の発展につなげてきた。その点については評価できる。 (聞き手:呉文欽)

「人民中国インターネット版」より2024年7月16日