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japanese.china.org.cn |30. 07. 2024

地球温暖化対策と中国のグリーン産業=小林正弘氏

タグ: 温暖化 気候変動 二酸化炭素
中国網日本語版  |  2024-07-30

北京でも異常な暑さが続いている。「何十億もの人々が極端な高温のまん延に直面し、世界中で50度にもなる危険な熱波でしおれている」(AFP通信26日報道)。これは今月25日、国連のグテレス事務総長が、気候変動に対して行動を起こすように訴えた際の言葉である。このまま地球の平均気温が上昇していくと、2030年には限界値の1.5℃に達し、気温上昇及びそれに伴う深刻な自然災害は制御不能に陥るとの試算がある。すなわち、2030年が気候危機回避のデッドラインとされている。

2021年12月に英国で開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)では世界約200カ国の代表者が参加し、「世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑える努力を追求する」という決議がなされると同時に、世界の温室効果ガスの4割以上を排出しているアメリカと中国が、気候変動の問題解決に対する協力を約束した。

地球温暖化を遅らせるためには大国の対策及び世界各国の庶民が低コストで行える地球温暖化対策が極めて重要である。

中国で生産されたEVや太陽パネルを含むカーボンニュートラル関連製品は、各国の庶民が自ら気候変動に対して行動を起こす際の重要なツールである。このようなグリーン製品に過度な関税をかければ、庶民の負担が増え、選択の幅が狭まるだけでなく、自国製品の性能の向上も遅れ、ひいては気候変動対策の障害となる。

さらに地球温暖化対策で注意が必要なのは、戦争によって多くの尊い生命が失われるだけでなく、大量の二酸化炭素が排出されていることである。戦争温室ガスアセスメントイニシアティブ(IGGAW)が発表した報告書によると、ロシア・ウクライナ紛争開始から24カ月以内に1.75億トンの二酸化炭素が大気放出されており、これは工業都市オランダの年間二酸化炭素排出量を越えるもので、9000万台のガソリン自動車を一年間使用する排出量に相当する、と指摘している(Euronews報道)。

人類に残された時間は短い。無益な戦争を即時に停止し、軍事よりもグリーン産業育成、温暖化対策や防災対策により多くの予算を振り分け、世界各国および民衆が協力して温暖化対策に取り組むべき時である。

(文=小林正弘・清華大学法学博士 、Genuineways Law Firm パートナー)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年7月30日