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japanese.china.org.cn |25. 10. 2024 |
パナソニック本間哲朗副社長が北京外大で講演 「中日友好のかけ橋になる」
中国日本商会会長で、パナソニックホールディングス株式会社代表取締役/副社長執行役員の本間哲朗氏は21日、北京外国語大学で「中日友好のかけ橋になる――パナソニックの経営理念と私の実践」をテーマに講演を行い、パナソニックの中国事業展開や「中日友好のかけ橋になる」ための会社及び自分自身の取り組みについて語り、新時代の中日関係の推進における若者たちの役割に期待を示した。
外資系企業の発展を支える中国市場の「6つの特徴」
本間哲朗氏はパナソニックの中国市場での歩みを振り返り、現在取り組んでいる「Panasonic GREEN IMPACT」事業や健康養老コミュニティ事業を紹介し、カーボンニュートラル社会の実現、高齢化対策の面での中国への貢献をアピールする一方で、中国の市場環境を高く評価し、中国市場の「6つの特徴」(①巨大な規模を誇るスマート市場②新たな技術を導入するにあたってすぐれた能力③イノベーションの失敗に対する寛容さ④膨大なエンジニアの人数⑤強靭なサプライチェーン⑥大規模で活発な資本市場)を掲げ、外資系企業がこれらを生かすかどうかが中国での事業成長の鍵になるとした。本間哲朗氏はとくにスマート市場に注目し、ウィーチャットや出前などのアプリの普及やオフィスのモバイル化、ECの発達など、中国での生活を通じて感じた中国のスマート技術の社会実装を紹介し、「世界でもっとも進んでいる」と感心した。「ビッグデータ活用の素地があり、アジャイルな開発を得意とする中国で、グローバルなイノベーションの一端を担い、世界に展開できれば」と、在中外資系企業としてのビジョンを示した。
講演会では、本間哲朗氏が自ら出演したコンパクトシェーバー開発をめぐるビデオが流され、会場を盛りあげた。発売13ヶ月で百万台という同製品の販売実績を受け、本間哲朗氏は「この市場の大きさとスピード感こそは外資系企業にとっての中国市場の魅力。日本やアメリカ、ヨーロッパでは、平均年齢が高くなっているので、なかなか新しい変化を受け入れない。そのため、まだたくさんの若い人口を擁する中国市場が貴重だ」と、改めてマーケティングの場として中国の重要性を強調した。
新時代の中日関係の推進における若者たちの役割に期待
「アジアの二大国として中日両国にはアジアの未来を築く責任がある。安定した中日関係は両国にとってだけでなく、アジアひいては世界にとっても極めて重要だ」と中日関係の重要性を強調した本間哲朗氏。中日友好のかけ橋になるためには、彼自身も中日文化交流の遺跡を見学したり、交流のために動画を撮影したりし、いろいろと取り組んできた。そして、若者が果たす役割を特に重視し、「新たな問題や挑戦に直面するときに、両国の若い世代が積極的に行動し、新時代の中日関係を推進する責任を果たしてほしい。この責任を担うために、両国の若者は相互に深い理解を持つことが一番重要である」と呼びかけた。
本間哲朗氏はさらに、積極的に交流し、文化の相違点をより深く理解することが必要だと強調。「英語のinnovationは中国で『創新』と訳され、新しいものを想像する、生活をより良くするために役立つという前向きな理解を含んでいる。これは改革開放以来の46年間、イノベーションが中国社会に実質的な発展をもたらし、国全体が受け入れてきたことだと感じる。一方、日本語の『技術革新』という表現は技術の変化だけを捉えており、技術の革新が公害など日本社会に負の影響を与えてきた時代もあるからだ。言語はその国の人々の思考習慣や文化を映し出すものである」と例をあげて説明した。
今回の講演会は北京外国語大学日本語学院と北京日本学研究センターの共催によるもの。講演会の最後にパナソニックが北京外国語大学北京日本学研究センターに図書費用を寄贈する式典も行われた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年10月25日