share
中日両国>
japanese.china.org.cn |16. 04. 2025

「中日韓情報通信イノベーション対話及び産業マッチング会議」に参加して=小林正弘氏

タグ: 中日韓 情報 技術 経済 貿易
中国網日本語版  |  2025-04-16

文=小林正弘

清華大学法学博士 

Genuineways Law Firm パートナー

(小林正弘氏が撮影)

7年ぶりとなる「第7回中日韓情報通信大臣会議」の開催に伴い、4月10日の夜に蘇州の金鶏湖の畔にあるホテルにて歓迎晩餐会が行われた。蘇州は日韓と深い経済的な繋がりがある地域である。2024年における蘇州の対日韓の輸出入総額はそれぞれ278.5億ドルと395.9億ドルに達し、江蘇省の対日韓輸出入額の半分を占め、江蘇省や長江デルタ地域における重要な日韓企業の集積地となっている。そして、電子情報産業は30兆円規模(7年間で約40%増)にまで成長し、2500年の歴史文化が香り緑豊かな最先端スマートデジタル都市となっている。日中韓三国の政府、産業界、学術界からの参加者が江南の美食と昆曲などの中国伝統芸能を楽しみつつ、自席を離れて遠方より参加した友と積極的に交流し親交を深めていたのが印象的であった。

(中日韓三国協力事務局(TCS)が提供)

翌日11日の午前に「第7回中日韓情報通信大臣会合」が開催され、午後の「中日韓情報通信イノベーション対話及び産業マッチング会議」では「情報通信技術のイノベーション協力を通じ包容力に富み、持続可能で、美しい未来を共に創造しよう」とのテーマの下、筆者を含む専門家、企業家などからグリーン経済、脱炭素分野での三国イノベーション協力、AIの応用、6G、海底通信ケーブル、航空通信、生体チップ新素材を用いた高齢者医療ケアなど多様な分野での最新成果や日中経済交流の歴史と現状に関する報告などがなされた。日中韓三国それぞれが各分野での最先端技術の開発研究を行っており、競争の激しさを増す一方で、テンセントクラウド総経理の陳鵬氏から日本企業PTWと共同開発したプロジェクト管理システムの成功例が紹介され、パナソニックHD副総裁・本間哲郎氏からは中国航空会社各社と提携し展開する機内ネットサービス事業や新電子部品工場の建設が本年、上海と蘇州で着工する状況などが紹介され、今後の三国間での更なる多様な経済協力の可能性が感じられるものであった。

蘇州工業園の計画図と現在(小林正弘氏が撮影)

会議終了後は蘇州工業園(SIP)を視察する機会にも恵まれた。蘇州工業園区がシンガポールの発展モデルに真剣に学び、その制度や経験を積極的に取り入れ、現在のスマートデジタル都市へと発展してきた過程をパネル、巨大スクリーン映像、無人運転バスなど様々な展示を通じて知ることができ大変に有意義であり、またその発展のスピードと規模、そして水準の高さに驚かされた。

今回の会議は中日韓三国協力事務局(TCS)と中国情報通信技術研究院(CAICT)によって共同開催された。日本、中国、韓国の北東アジア三国が域内の平和と共存共栄のビジョンを実現するため、今回の貴重な日韓イノベーション対話と産業マッチングの機会の提供にご尽力くださったことに心から感謝したい。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年4月16日