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japanese.china.org.cn |05. 06. 2025

生きる限り、犠牲者30万人の正義を求め続ける=南京大虐殺生存者・夏淑琴さん

タグ: 南京大虐殺生存者 夏淑琴
中国網日本語版  |  2025-06-05

1945年に撮影された、夏淑琴さん(左から2人目)、妹(左端)、叔父一家の記念写真(複製)。

中国人民抗日戦争は1945年、偉大な勝利を収めた。この年、10代の夏淑琴さんは妹や叔父一家と共に一枚の写真に収まった。本来なら三世代が揃う「全家福(家族写真)」となるべきこの写真に写るのは、わずかな人数だけだった。

現在96歳の夏さんは南京大虐殺犠牲者名を刻んだ壁の前で、震える指で肉親の名をなぞる。絶えることない追悼の念は、彼女の人生で80年以上続いている。1937年の血塗られた冬、8歳の夏さんは中国侵略日本軍の蛮行で7人の肉親を失い、自身も3カ所を斬りつけられた。生き残ったその日から、夏さんは歴史の証言者、真実の守護者、平和の擁護者として生きてきた。

「生きる限り、30万人の犠牲者の正義を求める」1994年、夏さんは戦後初めて南京大虐殺の真実を日本で訴えた生存者となり、東京・大阪・広島などで日本軍の罪行を暴露。しかし驚くべきことに、多くの日本人が中国侵略日本軍の南京での大罪を知らなかった。

歴史は日本軍国主義の暴虐を恥辱の柱に釘付けにしたが、日本の右翼勢力は依然として事実の歪曲を試みている。

1998年、真実を告発した夏さんは日本の右翼作家から「偽証」と中傷された。誹謗に対し、夏さんは法律の武器を手に「被害者」から「戦う者」へと変貌。2000年に南京で作家を名誉毀損で提訴し2006年に勝訴。同年、日本に赴き被告を提訴。4回の公判を経て、2009年についに日本の法廷で全面勝訴を勝ち取った。10年近い闘いは真実の勝利で幕を閉じた。

日本人との交流では温かい触れ合いもあった。土下座で謝罪する学生、無償で弁護した日本人弁護士、松岡環さんのように真相調査を続ける友人などがいた。

しかし現在も日本国内では南京大虐殺否定論が渦巻き、右翼勢力は言葉巧みに罪をごまかそうとしている。

「80年以上たっても彼らは認めようとしない」と夏さんは声を震わせる。「望むのはただ一つ。日本人が『嘆きの壁』(南京大虐殺犠牲者名を刻んだ壁)を見て、中国侵略日本軍がどれほど殺戮したか知ってほしい」最後に夏さんは繰り返した。「戦争は許されない。戦争はあまりにも多くの犠牲者を出す」

歴史のバトンは次の世代へ。2022年、夏さんの孫娘・夏媛さんとひ孫・李玉瀚さんが初代「南京大虐殺歴史記憶継承者」となった。中学2年生の李玉瀚さんは既に数年間、侵華日軍南京大虐殺遭難同胞記念館でボランティア解説員を務める。「責任を担い、より多くの人にこの歴史を伝えるべきだ」と語る。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年6月5日


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