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japanese.china.org.cn |25. 08. 2025

血で書かれた事実は覆い隠せない——日本の学者・森正孝氏が731部隊旧跡を再訪

タグ: 歴史 731部隊 軍国主義
中国網日本語版  |  2025-08-25

 8月20日、森正孝氏が旧日本軍第731部隊罪証陳列館を見学。=新華社記者・楊思琪撮影 

静岡大学元平和学講師であり731部隊及び細菌戦問題の専門家である森正孝氏がこのたび、20名からなる訪問団を率いてハルビン市平房区にある旧日本軍第731部隊罪証陳列館を訪れ、再びこの血と涙に満ちた地を踏みしめた。

訪問団には、退職した歴史教師、ドキュメンタリー監督、農業関係者、そして反戦活動の最前線で活躍する市民団体メンバーが含まれている。彼らは海と山を越えて、自らの目で歴史を確かめるとともに、その行動で日本社会へ平和の叫びを伝えようとしている。

陳列館に入ると、詳細な史料や実写映像、実物資料が、日本軍国主義の犯した人類に対する罪を多角的に暴き出す。日本細菌戦部隊の組織体系、731部隊長・石井四郎の罪深い理論、無数の「マルタ」(生体実験犠牲者)が経験した悲惨な境遇——あらゆる展示品、一文一句が全世界に対し真実を訴えている。

「墨で書かれた虚言は、血で書かれた事実を隠すことができない」森氏は厳しい表情で、訪問団メンバーに展示内容を解説しながら、中国の文豪・魯迅のこの言葉を引用した。

8月20日、森正孝氏(左)と訪問団メンバーが旧日本軍第731部隊罪証陳列館を見学。=新華社記者・楊思琪撮影

展示館が示す通り、731部隊の罪業には生体実験だけでなく、中国各地で展開された細菌戦により、数十万人の罪なき市民が犠牲となった事実も含まれている。

「これは私が撮影したものだ」陳列館の元731部隊隊員へのインタビュー映像の多くは森氏による撮影だ。そのうち、731部隊運輸班元運転手・越定男が「マルタ」を輸送した証言は、今日では貴重な史料となっている。

森氏は、自身と同陳列館の関わりは1985年、すなわち陳列館の開館年に始まると述べ、731部隊を研究する目的は、より多くの日本人に歴史と正しく向き合わせることにあると語っている。

訪問団は731部隊旧跡中心部に赴いた。ここはかつて日本軍細菌戦の指揮中枢だった。かつておぞましく見えた本部ビルは今も聳え立っているが、その背後の実験棟「四方楼」(「口」の字形に似た建物)は廃墟と化している。

旧日本軍第731部隊罪証陳列館の金成民館長は次のように語った。「当館は遺跡保護を最重要課題の一つとして、後世の人々が身をもって歴史を感じ取れるようにし、血と涙の記憶が忘れ去られることのないよう努めている。今年で開館40周年を迎えるにあたり、731部隊遺跡の世界文化遺産登録へ向けた準備を進めており、国際社会の持続的な関心と支援を望んでいる」

同館で展示される人体実験報告書(8月20日撮影)=新華社記者・楊思琪撮影

引き続き行われた座談会で、森氏は40年以上にわたる自らの活動の歩みを振り返った。歴史教師だった当時、侵略戦争の真実を教室で教え続けたことで解雇されたが、信念を曲げることはなかった。中国各地の被害者本人への聞き取り調査に加え、大きな危険を冒して元日本兵の自宅を訪ね、カメラの前で戦争の実相を語るよう説得を重ねてきた。

森氏は、カミソリの刃が同封された脅迫状を受け取るなど、ストーカー被害や電話脅迫にも見舞われたことがあると明らかにした。

訪問団メンバーも次々と発言した。広島学院中学校・高等学校元数学教師の中野勝氏は、2003年に早くもハルビン市社会科学院客員研究員として翻訳業務に従事。複数の中文著作を日本語に翻訳し、日本国民が731部隊の罪業を知る重要な窓口を開いてきた。

横浜出身の高梨晃嘉氏(元市議)は、先端技術で刷新された陳列館の10年前の訪問時と異なる姿に深い感銘を受けた。戦争加害関連の展示活動に長年携わる者として、最新の史料と事実をより多くの人々に伝えたいと望んでいる。

戦時下の罪業に向き合う上で、現代日本政府がなすべき急務は歴史的事実を明らかにし、侵略戦争の事実を教科書に明記することであると森氏は強調した。「これが達成されなければ、青少年は学校教育を通じて歴史を学ぶ機会を失い、歴史認識の欠如が悲劇の再発を招くであろう」

上海交通大学戦争審判・世界平和研究院の楊彦君研究員は、「森氏ら訪問団の来訪は、日本社会に依然として揺るぎない反戦・平和の力が存在することを改めて示すものだ。この力は中日両国民の友好の基盤であるのみならず、地域ひいては世界平和を維持する重要な礎となっている」と指摘した。

本部棟中央廊下の一階には、3千枚の長方形黒御影石で構成された「犠牲者名簿壁」が設置されている。731部隊による人体実験と細菌戦で命を奪われた人々を追悼する施設だ。訪問団はここに献花し、深い哀悼の意を表した。

訪問終了後、森氏は「より多くの日本人を中国に招き、被害者の声を直に聞かせ、歴史の遺跡を自ら訪問させなければならない」と強調し、「日本による侵略戦争の残酷さを深く認識させ、日本人の歴史認識を正すことで、悲劇の再発を防がねばならない」と述べた。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年8月25日