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| japanese.china.org.cn |25. 08. 2025 | ![]() |
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中国とシンガポールの研究者、旧日本軍東南アジア細菌戦の真相を追究
シンガポールの研究者・林少彬氏と中国の研究者・王選氏が共同執筆した「日本軍 岡字第九四二〇部隊」がこのほど出版された。同書は林氏が過去10年間に収集した資料と研究仲間による重要発見を集約。林氏は「研究を進めるほど、日本軍国主義の精神の核心に触れた思いが強くなる。恐ろしく、汚く、毒々しいものだ」と語る。

8月23日、シンガポールの自宅で資料を確認する林少彬氏(新華社記者・舒暢撮影)
旧日本軍の中国戦線外における最大の細菌戦部隊
研究によれば、日本軍は1942年3月、シンガポールに中国侵略日本軍第七三一部隊(731部隊)の兄弟部隊を設置する決定を下した。同年5月、軍事極秘電報が陸軍大臣の東条英機に報告された。「南方軍防疫給水部は南京で命令を受けて編成した」翌月、同部隊は上海を出発しシンガポールに派遣された。内部通称は岡字第九四二〇部隊(9420部隊)。日本南方軍所属で本部はシンガポールに置かれ、現在のマレーシア、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム、ミャンマーなどに支部を展開した。表向きは防疫と給水が任務だが、実際の活動はこれをはるかに超えていた。
現存資料によれば、9420部隊の主要任務の一つは実験用ネズミの飼育とペスト菌に感染したノミの培養だった。故オスマン・ウォク元シンガポール社会問題相は少年時代に同部隊で助手を務め、1981年のオーラルヒストリーでこう証言している。「部隊の日常業務はネズミを捕獲し、その血肉をノミに吸わせて感染させ、別のノミと混合飼育することだった。3~4ヶ月ごとに、ノミは大型ガラス瓶に集められ、列車でタイへ輸送された」
過去の非合法的人体実験と細菌戦に基づき、日本軍は開発した生物製剤の中でペストノミの効果が「特に顕著」と判断、本土と占領地で大量生産した。林氏は731部隊の記録と比較分析し、9420部隊の量産能力の背景には明確な軍事的要請があったと結論付けている。
研究では、9420部隊の中核要員はハルビンの731部隊、南京の1644部隊、および日本本土の細菌戦研究拠点であった陸軍防疫研究所などから配属されていたことが判明。部隊規模は一時千人を超え、日本軍の中国戦線外における最大の細菌戦部隊だった。独立した論文報告システムを有し、病原体研究は広範かつ深遠で、ターゲットを絞ったものだった。

8月15日、公開された中国侵略日本軍第七三一部隊罪証陳列館の新史料(新華社記者・王松撮影)
現存資料によると、9420部隊のノミ繁殖と「細菌感染」事業は東南アジア各地に分散配置されていた。部隊関係者の大快良明氏は1944年、マレー半島中部グアラビラの中学校でネズミを飼育していた経験を回顧し、日本から東南アジアへのネズミ空輸にも立ち会ったと証言する。「爆撃機のキャビン内には(ネズミ入りの)カゴが山のように積み上げられていた」
「日本軍 岡字第九四二〇部隊」の共同執筆者で浙江省歴史学会抗日戦争史学会会長の王選氏は、細菌戦は日本の対外侵略における統合プロジェクトであったと指摘する。「ハルビンからシンガポールに展開した各防疫給水部隊は『研究内容』に差異はあれ、人体実験データはすべて共有体制にあった」と結論づけた。
マレーシア国民大学のマリーナ・アブドゥル・マジド研究員は、日本軍が慌ただしく撤退した後に関連施設が徹底的に浄化されたかどうか、長期的な汚染リスクが存在するかどうかについては、現在まだ評価が必要だと分析する文章を発表した。
東南アジアで飼育されたノミはどこへ投下されたのか。林氏は、証拠と手がかりがミャンマーを指していると考える。英米合同情報機関メンバーである米国人医師レオナード・ショートは戦後の私信で、1944年初めに日本軍がラングーンを中心にペストノミを培養し、中緬国境に空中投下したと記した。投下装置は「クリスマスボール」と呼ばれ、731部隊のガラス型細菌弾に類似していたという。米側の一部解禁文書によると、米陸軍医療団は日本軍がネズミを集め、ペストを拡散する意図を持っていたことを把握していた。
「真相解明の緊急性」
1945年8月15日、日本は無条件降伏を宣言した。しかし80年が経過した今も、日本側は依然として歴史的責任を深く反省していない。林氏と頻繁に交流する、731問題の長年の研究者で日本「戦争と医学医療研究会」メンバーの原文夫氏は、「日本政府は731部隊の存在を認めるが、人体実験や細菌戦が行われた証拠はないと否定している。さらに日本社会は、戦争の真の原因を徹底的に反省していない」と述べた。
原氏は、真実を明らかにし教訓を汲み取ることが日本にとって重要な歴史的任務であると同時に、平和を維持する重要な道筋でもあると指摘した。「一部の問題が80年間も放置され、現在の日本が絶えず軍備拡大を進めていることを考慮すれば、今こそ戦争の真実を明らかにすることが一層喫緊の課題だ」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年8月25日
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