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japanese.china.org.cn |24. 12. 2025

日本の少額輸入貨物免税廃止が及ぼす影響

タグ: 輸入 少額貨物 課税 越境EC
中国網日本語版  |  2025-12-24

複数の日本メディアの報道によると、日本政府は越境ECプラットフォーム向け課税規則を改正し、課税価格1万円以下の輸入少額貨物に対して従来免除されていた消費税を課す方針だ。この背景には、中国や米国等のECプラットフォーム及び事業者からの競争圧力があると分析されている。新規則は中国系「Temu」「SHEIN」、米国eBay傘下「Qoo10」などの対日越境ECプラットフォームに影響を及ぼし、商品価格の上昇を招くと見られる。

「この迅速な対応は想定外」

深センに本拠を置く日本市場専門越境EC企業「跨境通」の張永軍社長は「環球時報」の取材に対し、業界では少額輸入貨物免税廃止を予想していたものの、政策実行のスピード感には驚きを隠せないと述べた。

同氏によると、中国は日本最大の輸入先であり、越境EC経由で流入する商品が年々増加している。業界推計では、日本は米国と欧州に次ぐ中国越境ECにとって第3の市場(取引規模約3兆5千億円)であり、取引品目は小型家具、3C製品(コンピューター、通信機器、家電製品)、化粧品、台所用品、衣類・靴・帽子、装飾品等の日用消費財が中心だ。

張氏は、「中国越境ECのシェア拡大は日本の小売業界に打撃を与えるのみならず、インフレ圧力が続く中、日本の消費者は価格競争力を持つ中国越境ECへとシフトする傾向を強めており、日本小売業界への圧迫をさらに加速させている。これこそが日本政府の税制調整を促した主な要因だ」と分析する。

ただし同氏は、日本における少額輸入貨物課税の実施には多くの技術的課題が存在し、運用が困難である点を指摘する。加えて、少額輸入貨物であるため最終的な価格変動幅は限定的で、日本の消費者が中国商品を敬遠する事態には発展しないと見る。張氏は、「中国越境EC企業は今こそ、製品競争力の向上と顧客チャネルの多角化に注力し、市場シェアの維持を図る必要がある」と提言する。

「競争力の消滅を意味しない」

日本の少額輸入貨物免税廃止に加え、米国、欧州、ブラジル等でも同じ動きが確認されている。ラジオ・フランス・アンテルナショナルの報道によると、米国が2023年8月29日に「デミニミスルール」(800ドル以下の輸入品が免税に)を正式に廃止した後、EU諸国も今月12日、来年7月1日より輸入貨物に3ユーロの関税を課す方針で合意した。

網経社電子商務研究センターの曹磊所長は「環球時報」に対し、越境貨物免税制度が約1世紀にわたる発展を経て、2025年に重大な転換点を迎えたと説明する。「米国の制度廃止は世界的な連鎖反応を引き起こし、日本や欧州の類似する政策の加速を誘発した。さらに新興市場への波及傾向も顕著だ」

しかし曹氏は、「免税時代の終了は中国越境ECの競争力の消滅を意味しない。これは産業発展の新段階への移行を示すものだ。変化への適応力、戦略的調整能力、長期的価値主義を貫く企業こそが、新たなグローバル競争で有利になるだろう」と強調した。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年12月24日