| japanese.china.org.cn |04. 01. 2026 |
伝統と現代が融合する中華文化が咲き誇る北京で迎える新年
文=小林正弘
清華大学法学博士 Genuineways IP Inc.パートナー
12月31日、習近平国家主席は新年のスピーチを行い、2025年を振り返り、文化面の発展について次のように述べた。「私たちは、文化を以て精神を豊かにしています。文化財や博物館、無形文化遺産への関心は高まり続け、新たな世界遺産が登録されました。悟空とナタは世界を風靡し、古典や国潮は若者にとって最高の美意識となりました。文化観光の人気が爆発し、都市別対抗や村のサッカースーパーリーグが比類なき人気となり、ウインタースポーツは真冬に情熱を灯しています。そして、伝統と現代が融合し、中華文化はさらなる輝きを見せています。」
文化を大切にする心は平和への志向を強める原動力となる。今、日本では「中国は圧が強い」「中国は日本を侵略するのではないか」などの言説が巷に溢れている。しかし、実際に現地を訪れた友人に感想を聞いてみると、中国文化と人々のやさしさに魅了される方が多い。北京で生活する筆者の目に映るのは文化的な生活を送る民衆である。公園で太極拳や卓球を楽しむ老人達や漢服やアニメのコスプレを楽しむ若者、美味しいレストランには何時間待ちも厭わない食通の人々、歴史博物館などで貴重な文物に目を輝かせる子供達など挙げればきりがない。また、歴史的にも墨子が当時の戦国時代で繰り返される侵略戦争を最も非道な行為と見なし(「非攻」)、戦争の原因が「差別的な愛」(自国や身内だけを愛し他者を排斥すること)にあると考え、普遍的な愛(「兼愛」) を説いた。このような中国古代の平和思想は連綿と継承され民衆に根差している。中国の歴史を巨視的に見ると、武力よりも文化を尊ぶ「尚文」の気風が基調をなしている。果たして、このような文化を愛する民族が簡単に戦争を望むだろうか。
筆者自身も昨年の8月に長江の中下流地域の都市を旅し、中国伝統文化の継承と現代化に触れる機会を得た。湖北省武漢市の黄鶴楼に映し出されるデジタルアート、安徽省蕪湖市の熟練鉄工職人がハンマーで鉄を叩いて作り上げる鉄画アート、世界無形文化遺産に指定された中国古代織物技術「雲綿」を紹介する江蘇省南京市の博物館など、伝統を継承し、現代的に発展させる取り組みに深い感動と啓発を受けた。また江蘇省鎮江市で見たスタジアムを揺るがすアマチュア都市対抗サッカーの選手の奮闘と3万人を超える市民応援団の熱狂的なパワーは忘れ難い体験となった。南京、鎮江では数千年の歴史を刻む城壁や街並みの修復が見事になされており、上海市普陀区の「半馬蘇河公園」では旧工場跡地の緑化河川再開発がなされ、ご当地ブランドグッズを開発するなど、観光地は一段と魅力を増していた。中国政府は文化強国戦略を掲げ、文化遺産の保護や文化による経済振興を推進している。報道によると「第14次五カ年計画」期間中(2021年~2025年)、全国の一般公共予算における文化・観光・スポーツ・メディア関連支出は累計1兆9,700億元(約39.4兆円)に達し、2021年から2025年にかけての年平均投入額は3,900億元(約7.8兆円)を超え、中国の文化事業および文化産業の発展を力強く支ている。
そこに生きる民衆の姿、人々の日常を知ることが、イデオロギー、国家、民族、体制の違いを越え、相互理解を深めるための重要な一歩となる。実際に現地を訪れたり、身近な中国人と交流することを通じて、日々の暮らし、歴史、文化、思想、文明論など多角的な視点から中国を眺めてみると新しい発見の連続である。5,000年の歴史と思想の蓄積、56の民族の多様な文化、そして伝統と現代の融合する中華文化は奥深く面白い。知れば知るほど、自身が中国についていかに無知であるか、そして表面的な言説から中国脅威論を鵜呑みにすることの危険性に気づかされる。
北京で元旦を迎えた筆者は、現地の小学校に通う娘の宿題に付き添いCCTV15でライブ中継されている2026年ウィーン新年コンサートを鑑賞し、その後は京劇や歌謡番組を楽しんだ。娘の学校の宿題のおかげで私自身も優雅で楽しい一年のスタートとなった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2026年1月4日
