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japanese.china.org.cn |07. 01. 2026

税収・軍拡・財政リスク、サナエノミクスという危険な賭け

タグ: 軍拡 財政 税収 サナエノミクス
中国網日本語版  |  2026-01-07

アベノミクスにならう高市早苗首相は就任直後、「減税による消費刺激・産業補助金・防衛費増額」を柱とする財政政策を打ち出した。政府支出の増加で経済成長を促進し、日本国債の持続可能性を高めようとするサナエノミクスは本質的にリスキーな博打だ。「光明日報」が伝えた。

その特徴は拡張的財政政策にある。しかし財源確保において、地方財政調整の名目で東京都の税収を「奪う」手法は、減税政策下における政府と地方および地方間の財政緊張を露呈した。また、東日本大震災復興特別所得税の1%減税は負担軽減に見えるが、徴収期間を10年延長した実質増税であり、国民の税の公平性への疑念を招き、内閣支持率低下要因となっている。

財政リスクの本質は支出規模よりも、むしろ資金の配分先にこそ大きく左右される。「サナエノミクス」は政策構造上、国家主導型投資、特に経済安全保障と防衛分野を優先的に強化する。高市氏は就任時「自主的な防衛力の抜本的強化」を宣言し、2027年度目標だった防衛費GDP比2%達成を2025年度に前倒しした。政府内部には「核武装の可能性」に言及する者も現れた。財源確保のため、2027年に所得税額の1%相当の「防衛税」創設を決定。防衛支出が同政策の根幹であることは明白だ。

社会保障の圧力の増大と人口減が不可逆化する中、財政資源の軍備・安保分野への集中は、教育、社会保障、雇用支援、再分配といった社会安定と長期成長の基盤領域への軽視を意味する。民生改善の遅れと分配格差の拡大は社会的不安と相対的剥奪感を増幅させ、これが更に政治ナラティブにおける「安全保障の需要」に転化され、軍拡の正当な根拠として循環する。すなわち「軍拡→民生圧迫→社会不安→安保論理強化→更なる軍拡」という悪循環のスパイラルが形成されるのだ。

サナエノミクスは短期的な政治的支持と市場心理の改善をもたらす可能性があるが、その代償は現在積み重なり続けている。不安定な税収基盤、安全保障偏重の支出構造、狭まる金融政策の余地という3つの要因が重なり、日本経済は極めて脆弱な均衡状態に置かれている。真の焦点は株価の高騰ではなく、構造改革の欠如、財政健全化ルートの不明確さ、安保と経済の境界線管理の欠如が、いかに高コストな「危険な賭け」を招くかにある。

(文=蔡亮・上海国際問題研究院 アジア太平洋研究センター研究員

周生升・上海国際問題研究院外交政策研究所東北アジア研究センター 東北アジア研究センター助理研究員)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2026年1月7日