| japanese.china.org.cn |16. 01. 2026 |
円安進行、深い構造問題が浮き彫りに
日銀は昨年末に利上げを発表し、政策金利を0.25ポイント引き上げて0.75%に設定した。これは過去30年で最高水準となり、「失われた30年」後の金融政策における重要な転換および調整とみなされた。しかし市場の予想に反して、円相場はその後上昇軌道に乗ることなく急落し、現在も低水準で停滞している。円安の深刻化への懸念が広がっている。
日銀による今回の利上げは、続く円安と物価高が国内社会及び金融市場にもたらした緊迫感に対応するものだった。利上げ後も円安傾向が続いているが、これには次の要因がある。
(一)日銀の政策正常化のペースが緩慢で、今後の利上げ時期やペースが不明確で、政策シグナルが曖昧なため、為替市場の不確実性が高まっている。
(二)市場の駆け引き効果。日本政府当局者は、「円相場が基本的価値から劇的に乖離する場合、いつでも介入する準備がある」と表明しているが、市場関係者は円安が底打ちしておらず、政府介入は時期尚早と判断している。外国為替投機筋も現状の円売りを「安全圏」内と見なし、ドル買い・円売りを維持しているため、円安が進行している。
(三)財政・債務悪化のリスク。日銀の櫻井眞・元日銀審議委員は、「高市早苗首相の財政政策が円相場を押し下げる中心的要因となった」と指摘した。高市政権は大規模な景気刺激策を打ち出して支持率上昇を図ろうとしているが、市場は冷静かつ否定的に日本の財政状況を評価している。財政支出の拡大が続く中、市場は日本の財政悪化を懸念して円売りに動き、これが円安の主な要因となっている。
(四)ドルのサイフォン作用。ドルが利下げに転じる一方で、日本は依然として緩やかな利上げ路線を維持しており、この政策の二極化が資金フローを再編している。米国の利下げ幅は円相場に重大な影響を及ぼす。最新のデータによると、米国の経済成長は鈍化の兆候を見せており、米国の政策関係者も利下げに慎重な態度だ。これにより現在のドルの高金利がしばらく続く可能性がある。現在の日米金利差は日本から米国への資金流出を促しており、円資金が吸い取られた結果、円安傾向が生じている。
(五)地政学的・経済的リスク。高市氏の台湾問題に関する誤った発言で地域の政治・経済の混乱がさらに激化し、日本の資産への投資意欲が低下している。また北東アジアにおいて、日本はロシア、朝鮮、韓国との間で対立が深刻化している。市場のリスク回避傾向により円の信用が損なわれ、円売り・ドル買いが常態化している。
続く円安は日本経済に長期的な悪影響を及ぼしており、日本の金融政策当局にとって頭の痛い問題となっている。円安の進行は多くの悪影響をもたらしている。
(一)輸入インフレの圧力を強め、日本国内の物価安定を損ない、国民生活の負担を増大させている。日本政府が補助金を支給しているものの、円安のペースは補助金の効果を上回っている。続く円安は物価上昇幅を広げ、インフレが予想以上に経済運営リスクを高める恐れがある。
(二)資源が乏しい島国の日本は、エネルギーやその他の資源を長年にわたり大量に輸入してきたため、円安が輸入コストを押し上げる結果となっている。コスト増加分の転嫁が容易ではないため、多くの中小企業が厳しい状況に直面している。
(三)円の低迷が引き起こす金利の再編、為替変動、資金回流などの連鎖反応が、国際的な金融市場の安定に影響を与える可能性がある。
日銀は利上げでも円安を阻止できていない。円の「止まらない下落」は日本の経済構造における多層的かつ深層的な矛盾を浮き彫りにし、日本の経済、財政さらには外交政策の試練となっている。円が急落した前回の事例として、2024年4月に1ドル=160円の水準に達した際、日本政府は為替介入を実施。円が底値から反発した。しかし現在の市場では、日本政府の介入のタイミングへの関心が高まっている。根本的な問題を考えれば、現在の日米金利差の状態が続き、高市内閣が財政を悪化させる緩和型の経済政策を拡大し、中日関係の緊張が続くならば、市場での円の信頼回復は困難であり、円の価値がさらに下がる可能性が高い。(文=秦兵・遼寧省社会科学院北東アジア研究所研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2026年1月16日
