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japanese.china.org.cn |23. 01. 2026

急な原発再稼働、日本の「3つのジレンマ」を浮き彫りに

タグ: 原発 稼働停止  福島
中国網日本語版  |  2026-01-23

東京電力は22日、21日に再稼働したばかりの柏崎刈羽原子力発電所6号機が作業中に警報を発し、原因究明に時間を要するため一時停止することを決定したと発表した。

原発再稼働は、日本の長年にわたるデリケートな問題だ。原子力の利用に対する各勢力の理念や政策志向には大きな隔たりがあり、原発再稼働は単なる経済問題にとどまらず重要な政治的課題でもある。

1つ目のジレンマ 安全性への不安と多発する不具合

客観的に見て、日本国民は原発の安全性を信頼していない。東電による度重なる核漏洩事故が国民に深い影を落としている。多くの人々は、小さな問題が積み重なり大きなリスクへと発展することを懸念しており、こうした背景から、原発再稼働には常に大きな反発が伴ってきた。原子力発電の全面的な廃止を主張する人も少なくない。

2つ目のジレンマ エネルギーの需給逼迫の現実

福島原発事故後の15年間、日本の原発はほぼ稼働停止状態が続き、社会では原子力を完全に廃止して新エネに転換すべきかの議論が続いてきた。しかし、ウクライナ危機による原油価格の高騰を背景に、エネルギー価格が全般的に上昇し、それに伴って電気料金も引き上げられている。同時に、人工知能(AI)、データセンター、スーパーコンピューター、インターネット通信などが急速に普及してきたこともあり、電力供給への需要が飛躍的に拡大している。情報通信産業は今後、確実に経済成長のエンジンとなる見込みで、電力消費量のさらなる増加が予想される。各種端末やディスプレイなどの情報機器の電力消費量は現在、電力消費量全体の約10分の1を占めている。

石油、天然ガス、石炭は発電に利用可能だが、日本はこれらの資源で輸入に強く依存している。太陽光発電に関しては、世界シェアの90%を中国が握っている。日本は技術やサプライチェーンの主導権を持たないことに不安を感じている。

このような背景があり、原発再稼働という議題が再び注目されるている。

3つ目のジレンマ 政治的な分断と移ろいやすい民意

原発再稼働は日本で、政治の焦点の一つとなっている。原子力そのもののリスクに加え、福島原発事故後の国民の「原発アレルギー」がこれをさらに政治問題化させた。2026年に入り、深刻な電力供給の現実が、各政党にこの課題と真剣に向き合うよう迫っている。

日本はエネルギー資源が乏しい国だ。再生可能エネルギーの不足、高まる電力の需要、そして脆弱なエネルギー安全保障を受け、日本社会は原子力発電という古い問題に再び触れざるを得なくなっている。不具合が多発し議論が続くものの、現実的なエネルギーのジレンマに直面する日本は、原発再稼働への道を進まざるを得ない状況と見られている。ただしそのプロセスにおいて、いかに安全防衛線を築き国民の信頼を取り戻すかは、日本が引き続き直面しなければならない重大な課題となる。

(文=廉徳瑰・上海外国語大学日本研究センター主任、教授)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2026年1月23日