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japanese.china.org.cn |23. 01. 2026

日本の歴史教育における「記憶の空白」

タグ: 歴史教育 教科書 軍国主義
中国網日本語版  |  2026-01-23

日本での勤務期間中、筆者はたびたび現地の若者に協力を依頼し、日本による中国侵略戦争をテーマとした動画を撮影してもらった。取材中、ある若者から「これまでこの歴史についてほとんど知らなかったし、学校の教科書でも触れられていなかった」との声を聞いた。被害者の血と涙の証言を直接耳にして初めて、自分が知っていた「歴史」がいかに貧弱で欠落したものだったか気づいたという。この日本の若者の衝撃と困惑は決して例外的なものではなく、日本の歴史教育で意図的に作られた「記憶の空白」を浮き彫りにしている。「人民日報」が伝えた。

日本の教育における中国侵略の歴史への体系的な抹消について探るため、筆者は日本の歴史教科書を調査した。日本では教科書検定制度が採用されており、文部科学省が出版社の作成した教科書を審査し、合格したものを各地の教育委員会や学校が選定して使用する仕組みだ。一見すると、教科書の選択肢が存在するように思えるが、近代の侵略の歴史に関する重要な章については、現在の各教科書すべてにある種の「暗黙の了解」があるようだ。例えば、南京大虐殺、慰安婦、731部隊などの史実については、わずか数行で曖昧な記述にとどめたり、重きを置かずに記述を美化したり、あるいは全く取り上げなかったりしている。このことは、日本の歴史教育において戦争責任の認識が欠落していることを明確に示している。

文部科学省の検定に合格した中学校歴史教科書が昨年4月、正式に販売・使用された。筆者が購入した日本文教出版と教育出版社の歴史教科書を例にとると、1937年の「七七事変(盧溝橋事件)」以降の侵略戦争についてはわずか1ページの簡略な記述しかなく、日本軍国主義がアジアで行った侵略戦争の事実内容に多くの歪曲や美化が見られる。このような体系的・構造的な記述の欠落は決して偶然ではない。これは、教育に手を加えることで戦争責任を矮小化し、歴史認識を再構築しようとする一部勢力による長年の企てを反映している。

歴史の真実を取り戻す教科書の作成は、日本では往々にして苦しい戦いを意味する。1960年代、日本の歴史学者の家永三郎が執筆した高校教材「新日本史」が731部隊の犯罪などを事実通り記載したため、文部省(現文部科学省)から「不合格」と判定された。731部隊が捕虜を使って細菌戦の実験を行ったとする原稿の記述は、「関連する学術資料の未発表」を理由に文部省によって削除され、「侵略」という表現も「武力進出」へと改ざんされ、戦争の性質が意図的に歪められた。

家永氏は黙っていなかった。彼は法律を武器に「教科書裁判」を起こした。この訴訟は32年間続き、3度の提訴と棄却を経て、彼の半生を費やすこととなった。

家永三郎教科書訴訟事件は、右翼勢力の報復を恐れた教師たちが戦争犯罪関連の教育を回避する結果を招き、「授業の自主規制」という風潮を生み出した。長年にわたり、日本の歴史教科書はアジア諸国に対する加害の事実を弱め、代わりに広島・長崎の原爆や東京空襲などの被害の記述に重点を置き、日本を第二次世界大戦の「被害者」として描いてきた。このように歴史を歪曲しては、日本の若者が歴史の真実を知り、正しい歴史観を築くことはできない。さらに憂慮すべきは、歴史学が日本社会で非主流化されつつあり、歴史研究と継承の社会的基盤がさらに弱体化していることだ。

歴史は一つの民族の集合的記憶であり、未来に向けた鏡でもある。戦争犯罪を体系的に抹消する歴史教育は、被害国の人々を再び傷つけるだけでなく、自国の若者の知る権利と思考能力を奪い、平和と和解の基盤を根本的に侵食する。より多くの正義を重んじる人々が立ち上がり、歴史の真実のために奔走し責任を果たすことでのみ、嘘の束縛を打ち破り、歴史の尊厳を守ることができるのだ。(文=朱玥穎)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2026年1月23日