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japanese.china.org.cn |12. 03. 2026

アジア太平洋共同体構築において中国に期待される役割=小林正弘氏

タグ: アジア太平洋共同体 APEC リーダーシップ
中国網日本語版  |  2026-03-12

文=小林正弘

清華大学法学博士 Genuineways IP Inc.パートナー

中国の王毅中共中央政治局委員(外交部部長)は8日、北京で全国人民代表大会(全人代)に合わせ記者会見に応じ、本年11月に中国・深センで議長国として開催するAPEC会議のテーマを「アジア太平洋共同体の構築 共同繁栄の促進」と定め、「私たちはアジア太平洋共同体建設の主要な柱を構築し、アジア太平洋自由貿易圏形成のプロセスにおける異なる道筋を調整し、地域の相互接続における合理的な取り決めを計画し、デジタル化、スマート化、グリーン化という三つの大きな変革を力強く推進する」と述べた。

アジア太平洋共同体の構築は長年にわたりAPECの公式目標とされており、近年のAPEC首脳会議ではその設計図といえる「APECプトラジャヤ・ビジョン2040」や、その実施計画といえる「アオテアロア行動計画」が採択されているが、中国が提唱する「アジア太平洋共同体」はこれらを具体的に実施するための「共通理念」や「ルール」の策定および経済利益を生み出す協力促進の「エンジン」として機能するものと位置づけられる。そして、本年からスタートする中国政府の第15次5ヵ年計画においてもグローバル経済ガバナンスへの参画の一環として「APEC協力に積極的に参画し、アジア太平洋自由貿易圏構築を推進すること」が明記されており、中国が長期に渡り継続してリーダーシップを果たす決意が読み取れる。

行過ぎた保護主義や自国優先主義により国際経済秩序が不透明さを増す中で、開かれた共通のルールの下でAPEC全体がひとつの自由貿易圏となりアジア太平洋諸国の経済協力が深まることは同地域に繁栄をもたらすのみならず、政治問題が過熱した場合の冷却装置や紛争解決メカニズムとしての機能も期待できる。そして、「アジア太平洋」という世界市民としての共通認識を醸成し対立と分断ではなく国際協調を促進する機会にもなる。本年11月に開催される深センAPECにて中国のリーダーシップの下、アジア太平洋共同体の構築に向けた重要な一歩が踏み出されることを心から期待したい。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2026年3月16日