| japanese.china.org.cn |27. 05. 2026 |
日本の対外純資産が3位に後退 「高負債・高資産」に潜むリスクとは
日本の財務省が26日に公表したデータによると、2025年末時点の日本の対外純資産は561兆7500億円で、前年比4.4%増となった。しかし国・地域別の順位ではドイツが首位を維持し、中国が2位に浮上。日本は3位に後退した。
対外純資産とは、一国が保有する海外資産から対外負債を差し引いたものであり、国際投資における純債権国または純債務国としての地位を評価する指標だ。
中国国際問題研究院アジア太平洋研究所の項昊宇特任研究員はその要因としてまず、日本経済が長年「国内停滞・対外拡張」という資本循環の罠に陥っていることを挙げている。少子高齢化により日本の内需が持続的に縮小し、企業がより高い収益を求めて海外移転を急ぐことで、「物品貿易は赤字、投資収益は黒字」という脆弱な国際収支構造が形成されている。
次に、日本の海外資産構造には流動性と収益性の不均衡が存在する。直接投資の比率が高く、資金が固定化しやすい一方、証券投資は低利回りの債券が中心だ。さらに、日銀が金融緩和政策を長期的に維持し、財政赤字の事実上の貨幣化が進んだことで政府債務(国の借金)が膨張し、対GDP比で240%を超えている。この状況は国内機関に海外資産の積み増しを促し、インフレや為替リスクへのヘッジとして機能している。同時に、円安進行が資産の実質価値を侵食し、外国投資家が日本株を買い増しする傾向が強まり、負債の増加ペースが資産を上回り、対外純資産拡大の余地をさらに圧縮している。
データによると、日本の対外資産と対外負債はいずれも数年連続で増加している。項氏は、この「高負債・高資産」構造が複数のリスクをもたらすと指摘する。
まずは為替リスクだ。日本の海外資産は主にドルやユーロ建てであるのに対し、対外負債の多くは円建てだ。この通貨のミスマッチは円安局面において「資産縮小・負債膨張」という悪循環を生み出す。2024年から2025年にかけて円相場は対ドルで10%以上下落し、海外資産を円換算した際の実質収益を大きく侵食した。同時に、外国投資家が保有する日本株の評価額が上昇し、負債規模をさらに押し上げている。さらに重要なのは、日銀が長期にわたり政策のジレンマに直面している点だ。利上げを実施すればインフレ抑制や為替安定には寄与するものの、政府債務の利払い負担を増大させる。その一方で、低金利を維持すればインフレと円安を助長し、「通貨安―インフレ―さらなる通貨安」というスパイラル的リスクを生む可能性がある。
また、対外資本への依存というリスクもある。外国投資家による日本株保有比率は上昇を続けており、日本の金融市場は資本の流れに対して極めて敏感な構造となっている。世界的なリスク選好の弱まりや米連邦準備制度の政策転換が起きれば、外資の一斉流出が生じ、日本株や日本国債の価格急落を招き、国内の金融不安定化が加速する可能性がある。このリスクは、日本政府の巨額の負債という背景の下でとりわけ顕著だ。外資の信頼が揺らげば、債務、為替、金融市場が連鎖的に不安定化する危機が生じかねない。また、長年の異次元緩和により、日銀の政策介入能力が大幅に低下している。
項氏はさらに、日本の「海外資産の膨張」と「国内経済の縮小」という矛盾は、産業の海外移転、資本流出、内需不足によって形成された構造的な循環に由来すると指摘する。そこには、日本国内の制度的・要素的制約が資本と産業の逆方向の選択を招き、結果として国家運営のレベルにおけるより深い課題が生じるという重要な問題がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2026年5月27日
