| japanese.china.org.cn |01. 06. 2026 |
『習近平 国政運営を語る』第五巻から読み取る中国の文明観
文=小林正弘
清華大学法学博士 Genuineways IP Inc.パートナー
『習近平 国政運営を語る』第五巻が日本語を含む8言語に翻訳され、国内外に向けて発行された。同書には習近平総書記の2022年5月27日から2024年12月20日にかけてのスピーチ等合計91編が収められている。
2022年は世界がコロナ禍にある一方、中国国内では貧困脱却と小康社会建設を成し遂げて共産党設立100周年の節目を終え、新たな「100年目標」、すなわち新中国成立100周年(2049年)を節目とする社会主義現代化国家建設へ踏み出した時期でもあった。
その後、不透明な国際情勢、半導体規制や関税等の外圧や様々な国内課題等が厳しさを増す中、中国は危機を冷静に対処し、国内産業のグレードアップと福祉向上を推進。同時に、世界が直面する紛争や気候危機に対し、予測可能な中長期的政策目標と「人類命運共同体」を軸とする国際協調の理念を掲げ、着実な歩みで国際社会の信頼を高めている。
本書からは、これらの危機に対する中国の国政運営の内在的な論理、ならびに中国の目指す国家像と世界観・文明観を読み取ることができる。「人民中心の発展思想」、自然との調和をめざす「美しい中国建設」、世界との共生・平和をめざす「共同繁栄」、「人類命運共同体」には、中国文明の汲めども尽きぬ深い知恵、民衆への慈しみ、困難や逆境を乗り越え文明を発展させる不屈の精神、そして世界に調和をもたらす大国としての責任感が凝縮されている。また、習総書記は、人類には肌の色や言語の違いはあっても、文明に優劣はなく、相互に学び、尊重し合い、対話と包摂により衝突を回避する文明平等の理念を堅持するよう訴えている。
かつてイギリスの著名な歴史家トインビーは、「中国こそ、世界の半分はおろか世界全体に、政治統合と平和をもたらす運命を担っている」(『二十一世紀への対話』)と述べた。
本書は危機をチャンスに変える国政運営の在り方を示すのみならず、混迷と分断が深まる国際社会において世界が進むべき道を示す羅針盤となるに違いない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2026年6月1日
