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japanese.china.org.cn |17. 06. 2026

設立105周年を迎える中国共産党の目指す社会像=小林正弘氏

タグ: 共産党 105周年 貧困削減 外交
中国網日本語版  |  2026-06-17

文=小林正弘

清華大学法学博士 Genuineways IP Inc.パートナー

今年は中国共産党設立105周年の節目の年にあたる。中国共産党は1921年、半植民地・半封建社会の中国が深刻な内憂外患に直面していた歴史的背景の中で誕生した。当時、日本や欧米列強による侵略、各地の軍閥による圧政に国民が苦しめられていた。陳独秀、李大釗らが主導した新文化運動は封建的な旧思想を打ち払い民衆の思想的覚醒を促し、民族独立と反帝国主義を求める大衆運動である五四運動へとつながった。魯迅も当時の思想啓蒙を支えた重要な知識人の一人として時代の潮流に加わった。この社会背景のもと、党の創設メンバーは貧困と社会的不平等を解消し、農民や労働者といった多数の民衆を救うため、マルクス主義を拠り所とした民衆革命の道を探り始めた。

それ以降、長征、抗日戦争、解放戦争を経て新中国が成立するまでの困難な歩みを経験した。新中国成立後も国内外に課題が続き、国内では長きにわたる貧困問題、国際的には冷戦下の外交的困難に直面してきた。幾多の試練を乗り越えながら、中国共産党の歴代指導者は一貫して国政の重要課題に全力を注ぎ、国内では国民が飢えず、安心して暮らせる社会の実現、対外面では平和共存を基本とする協調的な外交の推進を不断に追求してきた。

故周恩来総理は「天下の百姓(世の中の全ての人々)が飢えなくなる日、それが我々の奮闘の目的だ」と述べ、故鄧小平主席は将来の国家発展のビジョンとして小康社会、ゆとりのある社会の構築を打ち出した。貧困削減と国民の生活向上を重視する方針は歴代の指導層に引き継がれている。中国が2010年に世界第二位の経済大国となった後、さらにコロナ禍の困難な時期においても貧困対策は怠られず、2021年には全国で絶対的貧困からの脱却と全面的小康社会の実現が宣言された。1978年の改革開放以降、累計8億人以上が貧困状態から抜け出した。

筆者は2008年から北京に在住し、この変化を身をもって体感してきた。課題は依然残っているものの、国民の生活水準は年々、着実に向上している。2008年当時、全国を結ぶ高速鉄道網は整備されておらず、切符購入にも人込みに揉まれ多大な労力を要した。現在はスマートフォン一つで乗車券の予約、タクシー配車、出前・日用品・医薬品の宅配サービスを利用でき、利便性が飛躍的に高まった。雨天時に地下鉄構内で無料の雨具収納袋やカッパが配布されるなど細やかな配慮も見られる。郊外や地方都市でも舗装道路や清潔な公衆トイレのインフラが整備され、ホームレスの姿はほとんど見られない。夜間に一人で外出しても治安面の不安を感じにくい環境が形成されている。市場には値段が安い食料も多く、5元前後(約120円前後)でも食事ができる大衆向け食堂や飲食店もあり、高齢者や低所得層でも最低限度の生活を維持できる仕組みが整っている。

小康社会を実現した中国は、国民が再び絶対的貧困に逆戻りしないよう長期的な支援施策を継続している。同時に地域間・所得層間の格差を是正するため、社会保障制度を充実させる共同富裕政策を進めている。共同富裕とは、一部の富裕層のみが利益を得るのではなく、すべての国民が物質的豊かさと精神的充足の両方を享受する社会を目指す理念である。AIやロボット産業など先端産業が急速に成長する現在、経済成長のみを追い求めず、社会全体の均衡ある発展を重視する考え方には学ぶ点が多い。

外交面では、平和共存の方針が一貫して受け継がれてきた。1950年代には、周恩来総理が提唱した「主権および領土保全の相互尊重、相互不可侵、相互内政不干渉、平等互恵、平和共存の五原則」(「平和五原則」)が、冷戦下における国家間の対立を和らげる重要な国際規範となった。その後、グローバル化の進展に伴い、各国の利益は相互に深く結びつき、地球規模の課題も日々、複雑・深刻化している。いかなる国も単独でそれらの課題に対処することは不可能であり、国際協力の強化によってはじめて対応が可能となる。同時に、世界の多極化、経済のグローバル化、社会の情報化、文化の多様化が進展し、新興市場国や多くの発展途上国が急速に台頭することで、国際的な力関係は変化し、国際関係の理論と実践もまた再構築されつつある。こうした歴史的潮流を踏まえ、中国は人類社会の発展という視点に立ち、大国としての責任を担いながら、「人類運命共同体の構築」という外交理念を提唱した。平和五原則の精神も受け継がれているこの理念のもとで、中国は国際紛争の調停や国連の諸活動に積極的に寄与し、国際社会において着実に信頼を積み重ねている。

以上の点から見ると、中国共産党が描く社会像は、国内政策と外交政策のいずれにおいても、党創立当初に掲げられた「民衆救済」という精神に根ざしている。この精神を守り続ける限り、中国は責任ある大国として発展を続け、世界の平和と人々の幸福に重要な貢献を果たしていくに違いない。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2026年6月17日