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japanese.china.org.cn |20. 07. 2026

公正なAIグローバルガバナンス構築をめぐる中国の提唱と役割=小林正弘氏

タグ: 人工知能 AI技術
中国網日本語版  |  2026-07-20

文=小林正弘

清華大学法学博士 Genuineways IP Inc.パートナー

(撮影者=新華社記者・黄敬文)

習近平国家主席は17日午前、上海で開催された2026年世界人工知能(AI)大会ならびにAIグローバルガバナンスハイレベル会合の開幕式で基調演説を行った。その中で、「機械が思考し始めた時、人類はどう向き合うべきか」「アルゴリズムが意思決定に関与する時、安全をどう確保するか」「技術が倫理に挑戦する時、ガバナンスはそれをどうキャッチアップするか」「格差が拡大し続ける時、普遍的な恩恵をどう実現するか」という4大問いへ対応するため、各国に「人間本位、向上・善行の理念」の堅持を呼びかけた。AIを「共同繁栄の促進」と「共同安全の維持」の原動力と位置づけ、公正かつ合理的なグローバルAIガバナンス体制を共に築くことを提唱し、この理念に賛同した29カ国が関連協定に署名した。

最近では囲碁の世界チャンピオンが2手ハンデがある条件でAIに敗北するなど、「人間の知識や思考能力、創造力は、AIに及ばないのではないか」と感じられる事象も増えている。AIの犯罪や軍事での利用も急速に拡大し、被害が増大している。人間のもつ可能性への悲観や虚無感が強まり、人間も機械の一部であるとの考えに陥りやすい。その先にあるのは「処理能力」「効率」「最適化」を理由とする人間性や生命の尊厳の軽視、並びにAI覇権を握る一部の国家や企業への富、人材、データ、技術支配力の集中、そして先進国と発展途上国とのさらなる格差拡大である。

莫大な投資の下、ルールなきAI技術開発競争が激化し、人類の倫理観や生命尊厳の理念が揺らぐ中、AI先進国に属する中国政府が「人間本位、向上・善行の理念」の下に、率先して世界に開かれたAIに関する公正かつ合理的な国際管理体制の構築に一歩を踏み出した意義は大きい。これは技術を特定の陣営に囲い込むのではなく、むしろ国境や政治体制の壁を越えて共有しようとする試みといえる。

さらに注目されるのは、中国政府は今後5年間、発展途上国向けに①AI専門研修枠を5000人分提供、②東南アジア諸国連合(ASEAN)、アフリカ連合(AU)など6つの共同体機構などを対象に、国際AI応用協力センターの設置、③気象AI早期警戒プログラム「媽祖」の30カ国での導入・応用の推進を宣言し、AI技術の格差解消とAI技術の人道的な利用についての具体的な行動計画を打ち出したことである。

より安全でかつコスト負担が可能なAIを提供できる企業が世界でシェアを広げていく環境を作る必要がある。中国のAI企業であるディープシークはAIモデルを無料公開するオープンソース戦略を採用しており、また去年の11月に筆者が訪れた北京にあるテンセントでは技術で社会や人々の生活をよくするとの理念で独自AIの開発が行われていた。中国におけるAI開発とガバナンス構築の取り組みが技術のみならず、適度な価格競争、そして人道的な競争をもたらし、グローバルサウスを含む発展途上国の人々もAIの恩恵を享受し、バランスのとれた世界の平和的発展に寄与していくことを期待したい。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2026年7月20日