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japanese.china.org.cn |28. 10. 2026

中国に脈々と継承されゆく長征の不屈の精神=小林正弘氏

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中国網日本語版  |  2026-10-28

文=小林正弘

清華大学法学博士 Genuineways IP Inc.パートナー

今年は中国工農紅軍の長征勝利90周年にあたる。人類歴史上の偉大な奇跡と称される長征は、国民党軍の包囲を突破した中国共産党の紅軍が、新たな根拠地を求めて敢行した大遠征である。自ら長征のほぼ全行程を踏破し、「長征――語られざる真実」を執筆したアメリカのジャーナリスト、ハリソン・ソールズベリーは「長征は、文字に記された人類の歴史において、最も人々を奮い立たせる不屈の偉業である」と評した。

1934年から1936年の約2年間、江西省于都などのところから陝西省延安に至る約1万2500キロ(日本列島のおよそ4倍に相当)の道のりを、紅軍は国民党軍の猛烈な空爆と銃撃に晒され、600回余りの交戦をしながら行軍した。一説では、出発時に合計で約20万人の紅軍は、到着時には約5.7万人まで減少し、多くの隊員が途上で落命、脱落していった。渡った河川は100、越えた山々は40余りに上り、そのうち標高4000メートル級の雪山は20余りに及ぶ。限られた食料と粗末な装備、過酷極まる自然環境、道なき道、「死の罠」と呼ばれる茫漠たる草地ーそこには常に“死”と“絶望”が迫っていた。そのなかを戦い、理想の未来を信じ生き抜いたその偉大な足跡と不屈の精神は、その後の中国の歩みにおいて、計り知れない意義を有している。

長征達成の翌年、「七七事変」(盧溝橋事件)が勃発し、日本は中国に対する全面的侵略を開始した。長征という極限の苦難で磨き上げられた不屈の精神は民衆救済と民族解放を目指す大きな原動力となり、抗日戦争の勝利へと結実していく。

長征から90年が経過したが、当時の理想と不屈の精神は脈々と継承されているように感じる。コロナパンデミックにおける医療関係者の献身的な活動。1978年の改革開放以降、2021年までに累計8億人が貧困脱却を果たす過程において、貧困地域の子供達の教育に人生を捧げる教職員たち。特に2012年末から2020年末までに(貧困脱却攻略戦期間中)、延べ300万人規模の共産党幹部人材が生活条件の過酷な貧困地域の最前線に派遣され、1800人以上が職務の中で命を落とした。このような苦難に屈することなく、自身の安全も顧みず他者のために果敢に行動する人々の姿に、長征の不屈の精神を見出すのは筆者だけであろうか。

暴力と分断が深刻化し世界の混迷が続く中、困難な状況にあっても諦めず、人類運命共同体の理念を掲げ、対話を通じた紛争解決、国連を軸とした多国間協調主義を粘り強く推進する中国の平和外交は、長征精神の延長線上に位置づけることができる。

現在でも長征の経路上にある村落では、その歴史が語り継がれ、史跡の保護や長征行程を体験できるコースなどの整備が進んでいる。筆者もいつかその地を訪れ、長征の不屈の精神に自ら触れてみたいと願っている。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2026年10月27日