この絵の作者は富山市の会社員、古谷振一さん(52)だ。古谷さんはうつ病により休職中。病気と向き合う生活を支えているのは、描くことだという。
・目から描く。心や特徴を映す
古谷さんの絵は、まず目から描かれる。眉や鼻、口と描く範囲を広げていき、髪が最後に残る。一番やっかいなのは、この髪だという。
「女性の髪型は長さも形も色もどれ一つとして同じものがなく、つかみどころがない。従って描くのには非常に時間がかかる。一般に似顔絵でよく目にするのは、この髪の毛をほとんど省略した絵だが、私は省略せずきちんと描くようにしている」
・1日8時間描く。身を削り、絵に魂を込める
誰にも邪魔されず、没頭できるから、絵を描くことが好きだという。約30種類の濃さの異なる鉛筆を使い分けている。一度始めると、1−2時間は描き続け、集中すると1日8時間描くこともあるそうだ。
ただ、絵への没頭は、体だけでなく、心にも影響を与えた。うつ病にかかったのだ。