そのほかに、ショップも変化している。「博物館のショップは博物館を見学した人たちの感情の延長であり、文化的雰囲気にあふれている。そのため、ショップではなく、文化創意館と呼んでいる。服屋は服飾館と呼び、故宮の特徴がある服を展示し、気に入れば着て帰ることもできる。しかし、無駄遣いはしてほしくない」と単霽翔院長は話す。
5年の開発期間を経て、2017年末に故宮のグッズは1万種を突破し、一昨々年には売上高が10億元を超えた。故宮のショップが販売するどの商品も自主開発したものだという。
収益はどこにいくのか。単霽翔院長は、「子供」と答えた。
商品は文化を伝えるものにすぎず、故宮は教育に高い関心を示している。学術研究のほか、学校、コミュニティの教育にこれらの収益が役立てられている。
単霽翔院長は、「故宮は多くの学校と総合実践授業を展開ししている。現在40以上の授業が各学校の各年生で行われている。どの授業も学習カードや材料キットを使用し、子供たちは先生の指導のもとで手を動かして合わせたり貼ったり、切ったり絵を描いたりし、自分で作ったものを勉強や生活に取り込んでいる」と話す。
一昨年と昨年に故宮は2万5000回の教育行事を実施した。毎回参加者が殺到し、首飾り制作、礼服のデザイン、拓本作りなど、どれも参加無料で、多くの収益を子供の教育にあてている。単霽翔院長は、これらの活動を通し、彼らは成長してから中華文化を愛する世代になると確信している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年3月27日