列車のトイレはどのように排泄物を処理するのか。
多くの人が想像する通り、「直接排出する」が答えである。
つまり、排泄物を路床に直接排出している。
では、それらの排泄物が目に見えないのはなぜか。
列車の高速走行時に空気圧が発生しているため、排泄物とトイレットペーパーが強力分解され鉄道脇の路床に分散され、細かい顆粒になり大気中に拡散し、自然と一体化することもある。
しかし、駅に入る際は速度が落ち空気圧が低下するため、排泄物を分解できない。
そのため、駅に入る際に乗務員はトイレに鍵をかけて使用できないようにする。そうしないと、駅のホームは肥だめになってしまう。
このような処理方法に欠点があることは明らかである。環境汚染は当然、病気が伝染し、鉄道作業員や付近の住民に健康被害が及ぶ可能性もある。
高速鉄道の排泄物はどこに行くのか。
中国は2000年頃から列車のトイレの改造を開始した。現在、全ての動車、高速鉄道、ほとんどの25T型列車、一部の25G型列車が真空排泄物回収機を採用し、「真空処理」を実現した。
この装置は正・負圧の原理を利用し、バルブを開いたときに正圧で排泄物をボックスに入れるという仕組み。列車が終点に着くと乗務員は専用の管を使って排泄物を汚物ポンプ場に送り、無害で処理する。