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japanese.china.org.cn |07. 09. 2023 |
米著名漢学者、「史記」の翻訳に専念して30年
ウィスコンシン大学マディソン校の名誉教授はあと数カ月で80歳の誕生日を迎える。彼は漢学に60年専念し、唐の文学を詳しく研究している。1989年より「史記」の英訳を担当し、筆を執り続けている。
8月8日に米ウィスコンシン大学マディソン校で撮影された、米国の有名な漢学者の倪豪士氏。新華社記者・徐剣梅撮影
「史記」の完訳は英語圏の漢学の歴史における一大イベントだ。倪豪士氏(中国名。英語名はWilliam Nienhauser)は新華社に、「史記」は現在まで106篇翻訳されていると話した。翻訳完了の時期については未定だが、3-5年での完了を目指すという。
倪氏にとって、翻訳は西側の漢学研究の重要な基礎だ。彼らは「史記」の翻訳において見落とされがちな問題を発見でき、また新たな漢学人材を育成できる。倪氏が教育した博士課程院生の3分の2は非常に優秀な学者になったという。「学術のバトンをつなげることに最も満足している。これは著述やその他の何よりも重要だ」
倪氏によると、この30年以上に渡り、注釈、翻訳、研究討論など、200人弱の研究者が「史記」の全訳に参加しているという。多くの中国の歴史学者の他にも、ドイツ、イタリア、ルーマニア、ロシア、韓国などの漢学者も翻訳に参加している。「これはグローバルなチームだ。私たちは現在も共に働いており、よく時差に悩まされる」
倪氏が編集責任者となった「史記」の第10巻の裏表紙には、「ロンドン大学東洋アフリカ研究学院紀要」の評論・紹介文が記されている。「西側の学術界と文学界はこのような著作により、古代中国の輝きとロマンへの理解を深め、古代中国の偉大な歴史学者が示した人類の教訓をより良く鑑賞できる」
倪氏は、「中国の歴史と伝統文化の理解は、21世紀の中国を理解する上で非常に重要だ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年9月7日