今夏大人気となった「村超（村サッカーリーグ）」はシーズンオフになっても静まることはなかった。この貴州省榕江県に始まる一大現象を引き起こした農村スポーツ大会は、より長期的な未来を計画している。同県の徐勃県長は新華社に、「村超はすでに広く知られ、全国人民を集め共に楽しむという目標を達成した。次の目標は全世界の人々を集め共に楽しむだ」と述べた。

　観客が7月29日、「村超」大会終了後に競技場に入った（ドローンで撮影）。新華社記者・欧東衢撮影

　英プレミアリーグとのコラボは、「村超」の世界進出の重要な模索だ。「Premier Skills」現場サッカーコーチ訓練プロジェクトがこのほど、榕江県第3高級中学校で行われた。英国大使館文化教育所中国区サッカー発展シニアマネージャーのウォーレン・リート氏に率いられ、現地の44人の受講生が4日間の訓練を受けた。

　「Premier Skills」プロジェクトが中国の農村と縁を結ぶのはこれが初で、「村超」と英プレミアリーグの協力が正式に実現された。双方は9月の中国国際サービス貿易交易会の一連のイベントで戦略的協力協定に署名した。双方は訓練内容について交流し、コミュニティサッカー親善試合の準備を検討するとした。

　英国大使館文化教育所中国区サッカー発展シニアマネージャーのリート氏（前）が12月12日、「Premier Skills」現場サッカーコーチ訓練プロジェクトの受講生に授業を行った。新華社記者・劉続撮影

　徐氏によると、欧州5大リーグの一つである英プレミアリーグはまさに巨人で、試合の組織、大会運営、ユース訓練、コーチ育成などの面で世界トップレベルだ。後発者である「村超」は英プレミアリーグの先進的な経験を学ぶことで、「小さな苗から高くそびえる巨木」になることができるという。

　英プレミアリーグは「村超」の高い注目度と影響力を重視している。「Premier Skills」という公益プロジェクトは親しみやすい、積極的なスタートだ。「村超」も現在の国内プロリーグよりも英プレミアリーグの需要を満たせると言える。

　双方は現段階でさらなる協力計画についてコメントしていないが、在重慶英国総領事館のティム・スタンブルック副総領事は、榕江人民のコミュニティ精神が英プレミアリーグと「村超」を一つにしたと見ている。

　英国のコミュニティサッカー文化は中世まで遡ることができる。多くのサッカークラブは工場や学校などに根ざし、コミュニティや階層を代表し、コミュニティのメンバーに帰属感と一体感を与える。「村超」は農村という自然のコミュニティ共同体の選手と観客を集める。競技レベルはプロの選手と比べられないが、サッカーや所在するコミュニティ、村、リーグへの愛は誰にも劣らない。

　スタンブルック氏は、「サッカーは世界共通語で、世界各地の人々を一箇所に集めることができる。人々はサッカーをプレイするだけでなく、相互理解し関係を構築する。コミュニティに根ざすサッカー文化とそれへの愛は、村超と全世界がつながりを作る秘訣かもしれない」と述べた。

　「中国網日本語版（チャイナネット）」2023年12月27日