国土と民族 資源、気候、環境保全 国家、政治制度、行政区画 政党と社会団体 外交と国際関係 国 防 国民経済 社会生活 教育と科学技術 文化、医療・衛生、スポーツ 2006年の大きな出来事
国家、政治制度、行政区画

人民代表大会制度

人民代表大会制度は中国の根本的な政治制度であり、中国の政体である。「中華人民共和国憲法」は次のように規定している。中華人民共和国のすべての権力は人民に属する。人民が国家権力を行使する機関は全国人民代表大会と地方の各クラス人民代表大会である。1954年に開かれた第1期全国人民代表大会は、人民代表大会制度が中国で確立されたことを示すものである。

人民代表大会は主に立法、監督、人事の任免、重大事項決定の四つの職権を持っている。これは中国人民が人民代表大会制度を通じて国の主人公となる権利を行使する主な具現でもある。人民代表大会制度を堅持し、それを充実、発展させることは、中国の政治体制改革の重要な内容である。1978年の中国共産党第11期中央委員会第3回会議の開催以来、人民代表大会制度はいちだんと充実し、発展した。

50余年にわたる実践が立証しているように、人民代表大会制度は中国の国情に完全に合致し、全人民が国家権力を統一的に行使することを保障し、人民大衆の主人公となる積極性と主動性を引き出すこともできれば、国の政権機関が分担しながら協力し合い、歩調を合わせて社会主義建設を組織することにも役立つものである。

第10期全人代常務委の2006年の活動

2006年は科学発展観を深く突っ込んで着実に貫徹し、「第11次五カ年計画」期における幸先のよいスタートを切る年である。一年来、全人代常務委は第10期全人代第4回会議の主旨に基づき、党と国家の活動の大局とかたく結び付けて職責を真剣に履行し、諸活動において新たな成果をあげ、ややゆとりのある(小康)社会の構築、社会主義の調和のとれた社会の構築のために新たな貢献をした。

――代表の活動

(一)代表の議案を真剣に処理している。第10期全人代第4回会議の期間に代表から議案1006件が提出され、そのうち、100件がかかわりのある10部の法律が常務委によって審議、採択され、31件がかかわりのある7部の法律草案が審議のため常務委に提出され、353件がかかわりのある51件の立法項目が立法計画または年度計画に組み入れられた。その他の議案は、行政法規を制定するため国務院に送付され、当面立法条件が備わっていない議案については、それぞれ議案を提出した代表に説明をおこなった。

(二)代表の提案を積極的に処理している。第10期全人代第4回会議の期間に代表が提出した6511件の提案は検討して処理するため174の関係部門に送付した。代表の提案とかかわりのある問題にはすでに解決されたかまたは解決中のものが1801件で28%を占め、解決案が制定されたかまたは活動の計画に組み入れられたものは3148件で、48%を占め、いずれも前年比でいくらかの伸びが見られる。

(三)全人代常務委の活動の代表参与を拡大している。2006年に、常務委員会議に列席するために招かれた代表数は2005年の140余人から185人に増え、法律実施の検査と立法に関する調査・研究活動に参加した代表の人数は約400人から500余人に増えた。会議に列席した代表に会議の議事日程、関連文書と参考資料を適時に配布し、毎回の常務委員会会議の開催以前、列席代表座談会を開き、活動の情報を知らせ、関係議案について説明をおこない、常務委員会活動に対する代表たちの意見と提案を聴取することにした。

(四)代表の活動の組織とサービスの仕事を改善している。代表の特別テーマの調査研究組織サービスよりいっそう充実させ、省クラス人民代表大会常務委の統一した組織のもとで、代表たちが自由意志によって調査研究グループを結成し、現実のなかから調査研究テーマを選び、調査研究の対応性と実効性が強まり、代表の議案と提案の質の向上に重要な役割を果たしている。

――立法活動

2006年全国人民代表大会常務委員会は法律と法律問題にかかわる草案を合計24件審議し、そのうちの監督法、農産物品質安全法、旅券法、刑法改正案(六)、義務教育法(改正案)、企業破産法、共同経営企業法(改正案)、マネーロンダリング防止法、農民専業合作社法、未成年者保護法(改正案)、銀行業監督管理法改正に関する決定、人民法院組織法改正に関する決定、香港特別行政区の深せん湾港区の香港側港区管轄に関する決定、法体制の広報教育の強化に関する決定、など14件が可決された。物権法草案、企業所得税法草案、第11期全人代代表の人数の選定と選挙の問題に関する決定草案、香港特別区第11期全人代代表選挙方法草案、澳門特別区第11期全人代代表選挙方法草案の5件の草案が審議のために第10期全人代第5回会議に提出された。

可決された14の法律の中で、監督法の公布と実施は重点の一つである。監督法は中国の政治制度と国家体制とかかわりのあるもので、政治性が強いものである。監督法の制定は全人代の立法作業における大きな出来事であり、早くも第6期全人代の期間に、構想が温ためられ、すでに20年間も経ている。監督法の公布と実施は各クラス人民代表大会常務委が法律に依拠して監督の職権を行使し、監督メカニズムをより充実させ、監督の仕事を強化、改善し、監督の実効を強め、人民代表大会制度の特色とメリットをより多く発揮させるうえで重要な意義がある。

大会の審議に提出された法律の中で、物権法と企業所得税法は二つの重要な法律で、2007年3月5日に開催された第10期全人代第5回会議の二つの重要な議事日程の内容である。

2006年の全人代常務委の立法作業は科学的な立法、民主的な立法を引き続き推進し、立法の質がいちだんと向上した。

――監督の仕事

2006年の全人代常務委員会の監督の仕事には二つの特色がある。一、改革・発展・安定の全局とかかわりのあるもので、社会で幅広く注目され、社会の調和に影響を及ぼす際立った問題を監督の重点としていること。二、特別活動報告の聴取・審議と法律執行・検査などのさまざまな形態を総合的に運用して追跡監督を行ていること。一年来、国務院、最高人民法院、最高人民検察院の8項目の特別活動報告を聴取し、12の法律の実施状況について点検を行なった。

2006年の全人代常務委員会は社会主義新農村の建設、革新型国家の建設、資源節約型社会と環境友好型社会の建設、公正な司法促進などのテーマをめぐって監督の仕事をすすめ、民族区域自治法、帰国華僑親族の権益保護法についての法律の執行検査を行い、政府予算と経済活動についての監督を行い、中央決算報告、会計検査活動報告、計画執行状況についての報告および国有商業銀行の株式制改革、金融体制改革の深化に関する国務院の報告を聴取、審議した。

全人代常務委員会は公民、組織が提出した審査・提案を真剣に検討、処理し、重点的な審査を主導的に展開した。常務委員会は大衆の投書、来訪を高度に重視し、2006年に、大衆の投書15万余通を受け取り、来訪者延べ7万5000人に対応した。法律・訴訟とかかわりのある問題、土地の徴収・徴用、ダム付近の住民の移住、家屋の立ち退き、医療・教育、社会保障、環境保全などの大衆からの苦情が集中する問題に対しての監督検査に力を入れ、関係部門が法律と政策によって処理するよう督促し、投書、陳情問題の解決を推し進め、社会の矛盾、社会の調和の促進に積極的な役割を果たしている。

――対外往来

ここ1年来、全人代は56カ国の90の訪中団を受け入れ、委員長会議のメンバーが代表団を率いて30カ国・地域を訪問した。

2006年に全人代常務委員会は数年前にロシア、アメリカなど8カ国の議会、欧州議会と定期交流メカニズムを打ち固めるうえで、南アフリカ、韓国、インド、オーストラリア、エジプト、ブラジル、チリなど7カ国の議会、日本の参議院とさまざまな形の定期交流メカニズムを構築した。いまでは、中国の全人代と外国の議会の定期交流メカニズムの基本的な枠組みが形成されている。

2006年全人代常務委員会はロシア連邦委員会、下院とそれぞれ協力委員会第1回会議を開催し、アメリカの上下両院の交流グループとそれぞれ新しいラウンドの会合を行い、欧州議会と第23回定期会合を行い、日本の衆議院で協力委員会第2回会議を開催し、フランス、イギリス、カナダ諸国の議会との交流もスムーズに進められている。

2006年に全人代常務委は国際議会連盟(IPU)、アジア議会平和協会(AAPP)、アジア太平洋議会フォーラム、ラテンアメリカ議会、ASEAN諸国議会間組織、太平洋諸島フォーラム首脳会議などの国際および地域の議会組織の多国間の活動に参加した。モスクワで開催された上海協力機構 (SCO)加盟諸国第1回議長会合に出席した際、議会の協力が上海協力機構の枠組みで展開され、各加盟国間が「三つの勢力」を取り締まることと諸分野における協力を重点的に促進し、定期と不定期の柔軟性のある多様な協力方法を実行するなどの三つの提案をおこない、各参加者のから賛同され、議会の多国間協力に積極的な影響を及ぼしている。

ここ一年来、常務委は中国と外国との条約、協定、国際公約の締結を21件認可した。

第10期全国人民代表大会第5回会議

第10期全国人民代表大会第5回会議は2007年3月5日から16日まで北京で開かれ、合計2978人の代表が会議に出席した。会議は政府活動報告、全人代常務委活動報告、最高人民法院と最高人民検察院の活動報告を審議、可決し、2006年度国民経済および社会発展計画の実施状況および2007年度国民経済および社会発展計画、2006年度の中央よおび地方予算の実施状況および2007年度の中央予算報告を審議、可決した。

会議では中華人民共和国物権法草案、中華人民共和国企業所得税法草案、第11期全国人民代表大会代表人数と選挙問題に関する決定草案、中華人民共和国香港特別行政区第11期全人代代表選挙方法の草案、中華人民共和国澳門特別行政区第11期全人代代表選挙方法の草案を可決した。

第10期全人代第5回会議は代表の議案を合計796件受け取り、大会主席団は審議のためにすべての提案を全人代関係専門委員会に送付した。

「チャイナネット」2008年1月

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