·
中国の概況2007
·
中国事実と数字2007
·
中国のチベット 事実と数字2005
·
中国の地方概況(2005)
·
中国の司法制度
· 中国の政治制度
· 中国の立法制度
· 政府白書






第1章 民主政治と政党
1-1 問 「開示は原則、非開示は例外」。これは世界各国が推進していることだ。現在、中国は行政開示をどのように進めているのか。どのようにして、公民や法人、その他の組織、中国に滞在する外国人が気軽に適宜に政府の情報を得られるようにするのか。

答 政府は各国の経験を参考にしたうえで、自国の国情に立って、行政開示の仕事を積極的に進めている。政府が進めている行政開示は、行政機関または行政権限の行使を委託する機関が、把握した情報と職責を履行した状況を社会に開示するというものだが、それには政府の情報だけでなく、行政権限やその運営プロセスも含まれている。現在、全国の郷・鎮と県クラスの政府に属する機関はほとんどが行政開示を行っており、大半の県クラス以上の地方政府と中央機関はサイトや総合行政サービスセンターを設立している。こうしたサービスセンターは住民のために業務を行う場としてだけでなく、行政開示の場でもある。国務院直属の70の政府機関、31の省(自治区、直轄市)政府はいずれも行政開示に関する規定や、政府情報開示の条例を制定しており、記者会見とスポークスマン制度を確立し、開示を創造的に行って顕著な効果を上げている。

政府の行政開示を積極的に進めるとともに、中国共産党の機関、立法と司法機関、農村、企業、公共事業体も党務の開示、立法の開示、司法の開示、農村行政の開示、工場業務の開示、業務処理の開示などを進めている。このほか、行政開示を円滑に推進するため、2007年4月に『政府情報開示条例』を公布し、08年5月1日から施行する予定だ。

外国の政府情報開示に関する立法を見ると、一般的には主体的に開示する範囲は規定されておらず、内容に関する規定しか設けられていない。開示しないもの以外は、開示すべきだということだ。これはいわゆる開示を原則とし、非開示を例外とする原則である。中国は『政府情報開示条例』を制定した際、この原則を2つの面から具体化した。各地方政府が主体的に開示するための基本的要件、その内容、その重点を規定するとともに、公民や法人、その他の組織は法に基づいて開示する情報を申請できると規定した。その一方で、国家機密や商業秘密、個人のプライバシーに関するものは開示できないが、それ以外は開示できると規定した。2つの面から規定したのは主に、以下のことを考慮したからだ。1つは、政府の情報開示の主体性、時間制、対応性への要望が強まることで、行政機関が一部の重要な情報を公表しない、または政府の情報を随意に公表することを防ぐためだ。もう1つは、住民が注視する社会問題を適時に公表すれば、政府の情報を簡単に知ることができるようになり、しかも法に基づく情報開示の申請件数を少なくすることもでき、行政コストの削減につながるからだ。

政府の情報開示の適時性を確保するため、行政機関は開示のリストや指針を策定、公表、更新しなければならない。主体的に開示する範囲に属する情報については原則、発生または変更した日から労働日数20日以内に開示するとともに、コミュニケや記者会見、新聞、インターネットなど、様々なメディアを通じて適時公表すると明確に規定した。同時に国立公文書館や公共図書館などにも政府情報の検索システム、閲覧室、資料の配布カウンター、情報掲示板、電光パネルなどを設置し、政府の情報を開示することにした。政府の情報を知りたい外国人や外国の機関は、こうしたルートで政府の情報を得ることができる。

このほか、政府情報の開示作業への監督を強化し、公民や法人またはその他の組織が情報を取得できるよう保障するため、開示の考課・評定、監督・検査、年次報告、行政機関による義務不履行の通報制度、行政不服審査の申請または行政訴訟制度、情報公表の協調・秘密保持審査といった制度を確立している。

総じて言えば、一連の措置を講じることで、公民や法人またはその他の組織が法に基づいて政府の情報を取得し、人びとの知る権利、参与する権利、監督する権利を保障し、政府の情報が生産や生活、経済社会活動に寄与する役割を効果的に発揮させていくということだ。同時に、行政機関の政府情報開示をより適正に進め、行為が適正で運営に協調性のある、公正で透明、廉潔で効率の高い政府を目指していく。

 

「チャイナネット」2008年2月

 

Copyright © China Internet Information Center. All Rights Reserved E-mail: webmaster@china.org.cn Tel: 86-10-88828000