手づかみで食べるご飯
手づかみで食べるご飯はウイグル族の大好物の1つであり、ウイグル族の言葉では「プロー」と言い、新年や冠婚葬祭などには、親戚と友人と大切な来客をもてなす主な食品の1つとなり、 特に冠婚葬祭の日には必ず手づかみで食べるご飯を作って客をもてなさなければならない。手づかみで食べるご飯の主要な材料には米、ヒツジの肉、ニンジン、タマネギと食用植物油があり、骨つきの脂身のヒツジ肉を小さな塊に切って、油でそれを揚げ、それからタマネギ、ニンジン、孜然(茴香類の調味料)を入れて炒め、最後に食用植物油、塩、米を入れて、蓋をしっかりしてとろ火で煮る。出来上がったご飯はぴかぴかと光り、芳しく、味は非常によくて口に合い、栄養も豊富である。ウイグル族の伝統的な手づかみで食べるご飯は、お客様たちが手をきれいに洗って、オンドルの上で車座になり、真中に一枚の清潔なテーブルかけのような布を敷き、手づかみで食べるご飯が盛り込んである盤が運ばれてくると、来客は手でつかんで食べるのである。
ナン(焼きパンの一種)
ナンは新疆ウイグル自治区(以下は新疆と略)の諸民族の人たちが好む主要な小麦粉で作った食物の1つであり、2千年余りの歴史がある。ナンの作り方は漢族のシャオピン(小麦分を発酵させて薄く伸ばし、油またはごま油のかすや塩などをこねてぐるぐる巻きにしたものを適当にちぎって小指ほどの厚さの円型のものにし、片面にごまをふりかけ、天火にかけて焼き上がった食品)をあぶるのとよく似ている。小麦粉(あるいは精製の小麦粉)の中に少量の塩水と発酵したペースト状の小麦粉を入れて、均等に練り上げてから少しそれを発酵させて、ナンを作ってあぶるプロセスに入ることができる。ヒツジの油を添加したのは油ナンで、ヒツジの肉の小さな塊、孜然(茴香類の調味料)粉、粉コショウ、きめ細かくきざんだタマネギなどを調味料としてかき混ぜたあんを入れて作ったものは肉ナンである。ゴマとブドウの汁を入れてあぶったものはゴマナンといわれる。ナンは小麦粉の練り方、添加剤の成分、ナンの形、あぶり方などによって名称もそれぞれ異なるのである。
シシカバブー
新疆のウイグル族の民間の伝統的なシシカバブー(マトンの串焼き)は、街頭で立ち食いする民族色豊かなファースト・フードでもあれば、宴席で客をもてなす美味しいごちそうでもある。シシカバブーを作ることは、まず骨を取り除き、きれいに洗ったヒツジの肉を薄く切って、薄切りは赤身と脂身を適切に混ぜた方がよい。脂身の多い薄切りと赤身の多い薄切りをよく混ぜ合わせて鉄串に刺し連ね、それから無煙炭が燃えている溝の形の肉あぶりストーブの上にちゃんと並べて、一方でうちわであおぎながらあぶり、一方で精製塩、孜然とトウガラシの粉をまばらにまき、マトンの串を何回かひっくり返して数分間あぶってから食用に供する。
ヒツジの丸焼き
ヒツジの丸焼きは内外でよく知られており、材料の選択にたいへん凝っているほか、その作り方がユニークであるからである。新疆のヒツジの肉は新鮮で柔らかく、臭みがなく、内外の肉類食物市場でよく知られている。ヒツジの丸焼きは去勢されたオスのヒツジあるいは満1歳以下の肥えた子ヒツジを主要な材料とするものである。ヒツジを屠殺した後、ひづめと内臓を取り除き、精製の小麦粉、塩水、タマゴ、ショウガ、粉コショウと孜然粉などでペースト状にかき混ぜて、むらなくヒツジ全体に塗りつけ、それから鉄くぎを打ち込んだ棍棒で、頭部からしっぽまで貫き、特製の穴の中に入れ、蓋で穴の口をしっかりと覆うとともに、絶えずそれをひっくり返して肉の焼き具合をよく見て、約1時間でヒツジの丸焼き料理ができ上がる。ヒツジの丸焼き料理は色合いが黄色を呈してつやがあり、皮がパリパリして肉が柔らかく、非常に新鮮で美味しく、ウイグル族の人々が貴賓をもてなす際につくる高級料理である。
「チャイナネット」2005年8月