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チベットの農民、チョカン寺で豊作祈願の歌舞

バター油の灯りが荘厳な神仏を照らし出すなかで、青稞酒を捧げた農民が歌を歌う情景が、チベット族の人々が最も神聖視しているチョカン寺で繰り広げられた。

7月27日午前、ラサ市の中心にあるチョカン寺で読経している多くの人々の耳に爽やかな歌声が響き渡った。歌声を辿って釈迦主殿の二階にやって来ると、一群のチベット式スカートを穿き、ハタを首にかけたチベット族の女性達が広々とした回廊で舞い踊っているのが目に入った。彼らの踊っている仏堂には、1300余年前の吐蕃時代のソンサンガンポと文成公主の塑像が祭られていた。

50歳のツバイさんは、「私たちは、ラサ郊外の堆竜徳慶県の農民です。もうすぐ収穫の季節になりますが、作物の生育がいいので、10数世帯の仲間と一緒に青稞酒を持ってチョカン寺にやってきました。仏様に供物を捧げるとともに、五穀豊穣、六畜繁殖を祈祷しているのです」と話してくれた。

15年間もラサのガイドをしている61歳のチャンバさんは、「毎年秋の収穫期前後に、チョカン寺の参拝に来るのは、ラサ周辺のチベット族の伝統です。この季節には豊作の喜びを感謝して、薫り高い青稞酒を仏様とともに飲み交わし、歌を謡って仏様を祭り人々に喜びを伝えるのです。これは、神聖荘厳なお寺と何ら矛盾するものではありません」と語った。

30数名の堆竜徳慶県の農民の中で、最年長者は75歳になるインジュさんである。彼は、「はじめてラサにやってきたのは15歳のときでしたが、参拝に来たのではなく、生活が逼迫して乞食をしていました。当時のラサはいたるところに乞食が溢れていて、チョカン寺の周囲もあばら屋ばかりで、こんなに繁華な場所はどこにもありませんでしたよ」と語った。

31歳のチョカン寺の僧侶ニマさんも堆竜徳慶県の出身である。彼は、「故郷とラサは数十キロしか離れていませんが、以前は経済的な理由で両親は一年に一度ラサにやって来ることも難しかったのです。現在は生活も楽になり、一年に20回やって来ることさえ珍しくなくなりました」と語った。

この堆竜徳慶県からやって来た農民の大部分は女性で、青年男子は殆どいない。40歳のチャンチョンさんは、「私の主人はタクシー運転手で忙しいし、他の男の人達も都市で働かなければ、村の企業で働いているし、長距離運転手だったりして暇が無いのです。だから、女性だけが家族を代表してチョカン寺に参拝に来ているのです」と説明してくれた。

20歳のランジェツォとツヅォだけが青年男子で、彼らはチベット民族学院一年生の大学生である。今回は夏休みを利用して、家族や隣人とともにチョカン寺にやって来た。メディア専攻のツヅォさんは、「母や叔母たちがチョカン寺で謡ったり踊ったりしているのを見て、現在の生活は非常に自由で幸福だと感じました。歌声は自分の心のうちを歌い上げています」と語った。管理専攻のランジェツォさんは、「僕は卒業後、農産物加工企業をつくり、故郷の人達の歌声とともに暮らしていくつもりです」と語った。

「チャイナネット」2005/08/10

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