貴州省遵義市金鼎山鎮の山深い曲がりくねった山道で、毎日馬にまたがった中年男性を見かける。日の出とともに山に登り日暮れとともに山から下りる姿は1日も休むことがない。男性は徐徳光さんといい、金鼎山鎮扇子林小学校の校長であり、現地の人々は彼を「馬に乗った校長」と呼んでいる。
扇子林小学校は海抜1500メートル以上の山深い場所にある。現在は徐校長と2人の代講教師と22人の生徒が通っている。
1975年8月、高校を卒業したばかりの徐さんはわずか17歳で同小学校の教員となった。年月の経過とともに山に暮らす住民もふもとに移り、学校の規模も縮小し、教員も次々と山から離れていった。しかし徐さんは離れることなく、校長になってから20年が過ぎた。31年間に同学校を卒業した生徒は200人以上、そのうち4人が大学に合格し、約20人が中等専門学校に合格し、約100人が高校を卒業した。
徐校長の住まいは山のふもとの金庄村にある。学校までの往復時間を短縮するために、10年前に交通手段として自費で馬を1頭購入した。これまでに2頭乗り換え、現在は「白龍」と名付けた馬に乗っている。
山に暮らす子供たちが学校に通う道は遠く道も悪い。徐校長は雨の日、馬に乗って生徒の家まで迎えに行き、学校で使う教科書や文具、生活用品などを馬に乗せて運ぶ。学校までの距離を短縮するために徐校長は、自宅の裏山から学校に向けて道を切り開き、この道を毎日往復2時間以上かけて通勤している。生徒の通う道が山道で遠いので、学校は9時に始まり、お昼休みはなく、午後4時に下校となる。そのため、教員も生徒も毎日の食事は2食である。学校にある体育器材はバスケットボール3個と縄跳び3本だけ。
条件は非常に厳しいが、徐校長と生徒たちは楽しそうに生活している。徐校長の「生徒のために私はここで頑張って行かなければ行けない」という言葉に感動させられた。