中国 農民の土地使用権を保護
写真は張宝文委員
3月6日午後、全国政協会議は「現代的農業の発展と社会主義新農村建設を促す」というテーマの記者会見を催した。農村の耕地占用について記者の質問に答えた際、全国政協会議委員、中国農業部の張宝文副部長は「農民の土地使用権を守るため、中国政府はいくつかの措置を講じており、最も厳格な土地管理制度を断固として執行している」と語った。
同氏によると、その措置は主に次のとおり。一、農村部の土地請負関係の長期的な安定を堅持し、受益農民が請け負った土地をいとも簡単に調整することを禁じ、土地に関する農民の権益を着実に確保すること。二、規範的な措置をとり、農民の請負土地の境界、面積、契約書、証明書、基本的な耕地を着実にし、法律に則って土地を請け負った農民の諸権利を保障すること。三、農業の社会化サービスシステムの発展を促し、さまざまな形の合同と協力を通じて集団的経済を強大にし、農業組織の発展レベルを引き上げること。
中国 貧困人口がまだ1億人も 財政上のサポートが最も重要
昨年、貧困撲滅のための中央財政は137億元を投じ、地方財政の投下は50余億元となり、合計200億元にも達し、貧困撲滅で顕著な成果が見られたにも関らず、中国の貧困人口がまだ1億人もいる。そのうち、絶対的貧困状態にある人口は2148万人で、低所得人口は3550万人もいる。
写真は王志宝委員
これについて、全国政協会議の王志宝委員は「2006年、年間所得が683元以下の絶対的貧困人口が217万人減少しており、958元未満の低所得人口は517万人減となった。しかし、地理、社会、歴史などの原因により、中国にとって次の段階の貧困撲滅の課題は依然として深刻なものである。一部の貧困地域にはインフラ整備と社会サービスの機能がまだ遅れており、道路や電気が通じていない村がまだ存在し、教育、医療・衛生、文化施設などの整備は先進的な地域のそれに比べれば、かなりのギャップが存在している。経済と社会発展の面で、貧困県と先進地域の間に大きな格差がある。重点となる貧困県には農民の一人当たりの収入は全国平均のわずか50%であり、一人当たりのGDPは全国のそれの三分の一しかない。そのため、中国は貧困撲滅のためにさらに力を入れている。一、地域別の研究を行い、次の段階の貧困撲滅の方針を明かにする。二、総合的な措置を講じ、農民たちの農業生産を促すためにサポートを提供するほか、社会的整備を充実し、公共サービスのレベルアップをめざし、農民の文化的素質と生産の技術・技能を引き上げる。とにかく、いずれの措置にしても、中央と地方の財政の予算支出のメカニズムを調整し、貧困撲滅のためのサポートを強化することが最も重要なことである」と語った。
出稼ぎ労働、農民の収入を引き上げる重要な手段
写真は林毅夫委員
林毅夫委員によると、農民の収入を引き上げるため、現代的農業の発展を促し、農業生産力を引き上げるほか、今ひとつの重要な手段は出稼ぎ労働を通じて、第三次産業で料金を手に入れることである。2005年に農民の一人当たりの実収入は3254元であり、そのうちの1174元は出稼ぎ労働の賃金であり、総数の36%を占めている。
出稼ぎ労働者とかかわりのある問題を解決するため、中国国務院は「出稼ぎ労働者問題に関するいくつかの意見」を打ち出し、「都市部における平等な就業のチャンスを出稼ぎ労働者に提供し、出稼ぎ労働者の就業トレーニングと子女の教育問題を解決する」ことを特に指摘した。3月5日に温家宝総理が行った政府活動報告には、「政府の努力を通じて、未払い賃金の1834億元が解決されており、累計未払い賃金総額の98.6%となった」という内容も含まれている。
新農村建設を「新村落建設」へ誘くことを避ける
「農村部の環境整備」を新農村建設の突破口とするなら、確かに農民に実益をもたらすかもしれないが、新農村建設を「新村落建設」と簡単に理解すれば、農民の負担を重くし、農民の実益に損をもたらすことになるので、これは避けなければならない。
新農村建設およびその他の農業政策の主な目的は、農民の収入を引き上げることである。それを実現しなければ、農村部の環境改善、文明の気風の形成なども見込みはない。農民の収入レベルを引き上げるには、農業生産の発展が唯一のルートであり、先進的な科学と技術によって現代的市場システムを通じて実現しなければならないことでもある。
「チャイナネット」 2007年3月6日